岩手県の住宅復興に向けた取組みと今後の展望-住宅金融支援機構.pdfVIP

東日本大震災から３年… 特 集 復旧・復興の現状と今後に向けて 岩手県の住宅復興に向けた 取組みと今後の展望 岩手県 県土整備部 建築住宅課 住宅課長 勝又 賢人 かつまた まさと 1997年東京大学工学部都市工学科卒業。2010年政策研究大学院大学公共経済学修士。1997年建設省（現国土交通省）に入省 し、住宅局に配属。2006年国土交通省近畿地方整備局建政部住宅整備課長、2008年同省大臣官房技術調査課技術開発官、 2010年同省住宅局住宅瑕疵担保対策室課長補佐を経て、2012年より岩手県県土整備部建築住宅課住宅課長。静岡県出身。 介し、最後に今後の課題を述べます。 はじめに 東日本大震災津波による被害と住宅の復興は、特 東日本大震災津波による に被害が大きかった岩手県、宮城県、福島県の３県 被害状況等 で比較しても、かなり状況が異なります。岩手県の １ 特徴を上げると、被災地はリアス式海岸のため被災 被害状況 した土地を除く宅地が少ないこと、ほとんどの人口 東日本大震災津波による岩手県の死者・行方不明 が内陸に集中しているため被災した沿岸には比較的 者は、災害関連死も合わせて、現在※6,243人に上っ 小さな市町村しかないことなどが挙げられます。 ています。また、家屋の全壊・半壊は25,023棟とな 本稿では、岩手県における被災の状況と、住宅の っています【図表１】。 自力再建や災害公営住宅の整備に関する取組みを紹 図表１ 岩手県の被害状況（H23.3.11本震・津波、H23.4.7 余震） （平成25年11月30日時点） 死者・行方 死者 家屋倒壊数 行方不明者 不明者計 (棟) 直接死 間接死 (人) (人) (人) (人) 沿岸12市町村 4,672 397 1,139 6,208 23,165 内 陸 0 31 4 35 1,858 総 計 4,672 428 1,143 6,243 25,023 ※本文中の「現在」は、特に断り書きがない限り、平成25年11月末時点を表します。 30 Housing Finance 2013 Winter 岩手県の住宅復興に向けた 取組みと今後の展望 ２ るとともに、自力確保が困難な方には、必要な災害 応急仮設住宅等の状況 岩手県内では、応急仮設住