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第1章　データベースの基礎 データベースを利用するには、 ①、同一データに対して同じタイミングで複数ユーザーから利用要望が出るかもしれません。もし、この要望を無秩序に実行させてしまうと、データ変更処理に矛盾が発生する可能性があります。そのようなことがないように、データを使用する順序を制御し、「データ保護」を行う必要があります。 ②、全ユーザーが全データにアクセスできてしまうと、個人情報など機密情報についても自由に参照、変更を行えてしまうため、ユーザーごとにデータへの「アクセス制御」を行う必要があります。 ③、ディスク障害などが発生した場合には、失われたデータを復旧するための「障害復旧」の仕組みも必要になります。 これらのことを解決するために、「データベース管理システム」（Data　Base Management System：DBMS）と呼ばれるデータベースを適切に使用するための管理を行ってくれるソフトウェアが登場しました。 ユーザーからのデータベースに対する要望は、必ずDBMSを介して行われます。そのため、データを処理する前に、DBMSがユーザーのデータ利用の順番制御や権限確認を行ってくれます。 データベース管理システム（DBMS）の定義は、特性のモデリング方法に依存するが、「データベースを定義する」、「データへのアクセスを実現する」、そして、「データに一貫性や秘密保護などを総合的に制御?管理する」のようなモノである。 そして、データベースの定義は、 ?　組織体(企業など)の統合化された共有の情報資源； ?　様々の利用を可能とするために、DBMSの管理下で、データを体系化し、電子媒体に記憶させ、必要時に　効率よく利用できる状態に保たれたデータの集合体である。 1-1-2 データベース管理システムに必要な機能 (2)、DBMSの役割 上記(1)で述べたデータベース以前の各問題を解決するために、DBMSでは、下記の最低限の役割が必要となる。 ①　データ重複の削除より、データの共有化　（物理的にデータを集中管理し、データ重複の問題点を解決） ②　データの管理機能を充実させる　（同時利用、障害回復、機密管理など） ③データ利用方法を用意にする　（統一したデータ定義、データ操作の非手続化） （3）、DBMSの機能 ①　データの独立性の確保（Data　Independence）：個々のプログラムに従属せず、独立している。データ定義、データ辞書が管理されること。 ②データの一貫性が保持され完全であること（Data Integrity）：複数のプログラムから同時こうしてもデータが正確であり、データ間に矛盾がないこと ③データ操作が容易に出来ること　（User’s View） ④秘密保護が出来ること　（Security Control）：許可されたもの以外がデータ操作が出来ない ⑤障害?複旧ができること　（System Recovery）：発生時でも　元の状態に戻せること (4)、データベースシステムの特徴 データベースシステムを導入することによる効果は、データベースシステムの特徴として次のようにまとめられます。 ①　プログラムの独立性：　データが個々のプログラムに従属しないためデータベースの仕様変更が発生しても、多くの場合プログラムを変更する必要がない。 ②　データの非重複：データベースとして情報を一元管理するためデータに重複がない。 ③　同時処理の実現（データの一貫性）：　データベースのアクセスは同時に複数のユーザが行なえる。同時の書き込みや削除なども DBMS が制御するため、データの矛盾が発生することはない。 ④　データの機密性：　データベースへのユーザのアクセスを DBMS によって制御されるため、許可された者以外は、データ利用ができない。 ⑤　データの障害回復：　データベースに何らかの障害が発生した場合でも、DBMS はこれを正確にもとの状態に回復するための手段をあらかじめ用意している。 1-1-3　データベース発展の経緯と代表的なデータモデル (3)、データモデルよりデータベースの分類 データベースの種類も採用したデータモデルによって、下記の各種のデータベースは大きく分類されています。 ①、階層型データベース 文字どおり、データの関係性をツリー構造で定義し、プログラムからは、ツリー構造の定義を利用してデータへアクセスを行います。データへのアクセスパスはツリー構造1つにつき1通り存在します。 　 図1-6　代表的なデータスモデルのイメージ図 階層型データベースでは異なるツリー構造を作るたびにデータ重複が発生し、データの冗長化が問題点となっていました。 表1-1　データベースの種類と特徴②、ネットワーク型データベース 表1-1