论文-平川制作所.doc

2012年6月 理科実験、水素発生装置の安全対策 平川義宏※ Safety measures of a chemical experiment and hydrogen generating equipment 　　　　　　　Yoshihiro Hirakawa 主に中学校の理科授業で実施される水素発生実験中、年に数件の爆発事故が発生する。 近年、これらの事故原因のほぼ全てが指導する先生の指示に生徒が従わないためとなっているが、そもそも水素は高危険性の気体であり「注意喚起」だけでは限界がある。 そこで「理科室にあるもの」を用いていくつか安全装置を製作してみた。その結果効果的なものが得られたので報告する。 In a generation experiment of hydrogen performed by a class of the science of the junior high school, an explosion accident occurs several times mainly in a year. In recent years, it is almost all accident causes that a student does not obey the instructions of the teacher. However, hydrogen is very dangerous gas, and there is a limit only by attention awakening. Therefore I produced some safety devices experimentally using the common thing in the science room. And we succeeded in making an effective safety device. ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※　有限会社平川製作所。 はじめに 実用では今日皆無となっているにもかかわらず小中学校の水素発生実験において「爆発事故」がどうしてもゼロにならないのは、安全装置の構築が難しいことが挙げられる。 実用また学校での実験ともにそのひどい爆発事故の原因は、水素発生装置本体に「逆火」し、発生装置内部に滞留している水素に引火するためである。 すなわち発生装置に逆火を生じさせないことが対策の決め手となるため、実用では逆火防止器＝安全器の使用が義務付けられている。しかしながら小中学校の水素発生実験装置に通常の安全器を取り付けて使用することは困難である。これは概ね以下の理由による。 　①　専用の装置ではなく、管理されない。 　　　実用の水素発生装置は専用のものとして構築され管理も徹底されるが、理科の実験では、三角フラスコ、ゴム栓、ガラス管といった一般的な実験器具を寄せ集めて、都度構築、分解される。そのため専用装置として管理されるものとならない。 ２．具体的対策方法の検討 　根本的には少量、すなわち二股試験管などを用いて、ごく少量の水素を発生させて実験をするということに尽きるが、中学校で行なう水上置換法の実験などではそれよりもどうしても多くの水素を発生させて扱うことになる。そのため発生装置側でなにがしかの対策が必要になってくる。すなわちこれは逆火対策である。 原理的に大気圧程度の低いガス圧力でも使用できる逆火防止器として、水封式安全器が ある。これはアセチレン発生器とセットで用いる安全装置として有名であるが、実際にはアセチレンに限らず乾式安全器が実用化される以前、可燃性ガス配管部などに広く用いられていたもので、今日でも大量に可燃性ガスを使用する工場などで用いられている。原理的には洗気装置であり、これに爆圧開放口（安全破裂板）、緊急ガス供給停止弁（緊急閉止弁）を合わせたものである。 欠点は水の交換が必要など、管理が面倒であること、水溶性の気体に使用できないこと などであるが、水素は水にほとんど溶けず、また理科の実験に使う水素発生装置は都度、 組み立て分解されるものであるから好適である。そこでこれを日常使用する部材を用いて 構成、水素発生装置本体に付加するものとすることにした。 ３．具体的製作例と使用方法 ①　Ｌ字管の構成。 ゴム栓などからの漏れがない場合、引火して逆火が始まるのはＬ字管口からである。 そこでこの部分にステンレスの細繊維を内蔵、流路抵抗を持たせることによって