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第4章保安技术1.装置材料[DOC]

株式会社 石油産業技術研究所  保安教育テキスト 4章 保安技術 目次 1. 装置材料 1.1 はじめに 1.2 炭素鋼 1.3 合金鋼 1.4 高温材料 1.5 低温材料 1.6 耐食材料 1.7 ライニング材 2. 装置材料の損傷と非破壊試験 2.1 プラント装置材料の損傷 2.2 非破壊試験の適用時期とその目的 2.3 非破壊試験の種類と特徴 2.4 非破壊試験のプラント設備への適用例 2.5 設備診断と非破壊検査 3. 保安防災設備 3.1 異常運転の回避 3.2 圧力保護装置 3.3 緊急遮断装置 3.4 ガス検知警報設備 3.5 漏洩防止装置および漏洩時の対応 3.6 防消火設備 4. 計装設備 4.1 センサー:量を把握する機能 4.2 故障と信頼性 4.3 安全のための計装 4.4 プロセス制御 資料 別表4-1 静電気災害を発生させる恐れのある条件とその対応策 第4章 保安技術 1.装置材料 1.1 はじめに 装置材料としては種々の物質が用いられているが、最も多く用いられているのが鉄を主成分とした材料である。しかし、純粋な鉄は?軟らかくて強度が小さく装置用材料としては適さない。強度を与えるため鉄に合金元素を添加したものが鋼である。鋼は大きく2種類に分類できる。一つは合金元素が炭素(C)であり、通常その含有量が0.02~2.06%の範囲のものを炭素鋼と呼んでいる。もう一つは、炭素鋼では期待できない機械的または化学的性質を付与するために炭素以外の合金元素、例えば?クロム(Cr)?モリブデン(Mo)?ニッケル(Ni)?銅(Cu)などを添加した合金鋼である。 1.2 炭素鋼 炭素鋼は前述したようにFe‐C系の合金であるが、精錬などの関係で不純物として常に、ケイ素(Si:~0.3%)?マンガン(Mn:0.2~0.8%)?リン(P:~0.06%)?硫黄(S:~0.06%)などの不純物が含まれる。これらの不純物は鋼に悪影響を与える。 リンは常温脆性の原因となり、硫黄は脆い硫化鉄(FeS)として鋼の結晶粒界に析出して鋼を脆化し赤熱脆性の原因となる。また?溶接性を悪くするからリンと硫黄は少ないほうが良い。炭素鋼の機械的性質は主として炭素量により大きく変化するため、炭素鋼は表4-1に示すように炭素量によって分類される。 表4-1 鋼の名称 種類 極軟鋼 軟鋼 半軟鋼 半硬鋼 硬鋼 最硬鋼 C量(%) 0.04~ 0.12 0.12~ 0.20 0.20~ 0.35 0.35~ 0.50 0.50~ 0.80 0.80~ 1.7+ また図4-1に示すように引張り強さ?降伏点?硬さは炭素量とともに増加し、逆に伸び?絞り?衝撃値は炭素量が増すに従って減少する。炭素鋼は製鋼段階の熱処理の有無によって調質鋼と普通鋼に分けられ、脱酸の強弱によってキルド鋼?セミキルド鋼?リムド鋼に分類される。キルド鋼はケイ素またはアルミニウムによって強制脱酸し、製品はリムド鋼より均一で健全で安定しており低温脆性を起こしにくいため、機械構造用として重要な部材に使用される。リムド鋼は強制脱酸を行わないため、鋼塊内部は比較的不純物が多く気孔の散在した組織となっているが、これを圧延すると気孔も押しつぶされ表面がきれいで、かつ展延性?溶接性も良くなり塑性加工用薄板?一般構造用圧延鋼材?形鋼などに使用される。 図4-1 炭素鋼の炭素含有量と機械的性質 (鉄鋼便覧による) 1.3 合金鋼 合金鋼は、炭素鋼にNi?Cr?Mn?Moなどを加えて、機械的性質の改善や特殊な目的に適する性質を持たせたものである。 1) 低合金鋼:炭素以外の合金元素を少量添加した鋼の総称。 Cr?Mo?Ni?Cuなどの合金元素の含有量は5%以下。 用途はボイラ用?化学用などの鋼管類、構造用合金鋼?低温用? Ni鋼?バネ鋼など非常に範囲が広い。 2) 中合金鋼:合金元素含有量が5~10%の鋼 合金元素の影響と利用について表4-2に纏めた? 表4-2 合金元素の影響と利用 元素 影響 利用 C 炭素 Cの含有量の影響は前述のとおり。 溶接性に有害で、量が増加すると溶接部の靭性?延性?耐割れ感受性が劣化。 圧力容器に使用する鋼材で溶接を行うものは0.35%以上のCを含んではならない? Si ケイ素 脱酸剤として用いられ延性?靭性を損なうことなく強度を高められる? 高張力鋼として、引張り強さ500~600MPaのSi-Mn鋼に0.4%程度含有。 Mn マンガン 脱酸剤として用いられ、含有量が2%程度以下では量に比例して強度が増す?ただし、溶接熱影響部硬度上昇や、低温割れ感受性を増大させる? 圧力容器用高張力鋼材として、引張り強さが

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