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食品安全ネットワーク便り 第127 号 《略称：フーサンだより》 （2017 年3 月） 発行：食品安全ネットワーク（Food Safety Network） 会長：角野 久史 編集担当：猫西 健太郎、平井 由紀 ホームページ：http://www.fu-san.jp/ 事務局：〒541-0056 大阪市中央区久太郎町1-4-8 堺筋本町ガーデンスクエア イカリ消毒株式会社 TEL.06-6264-2741 FAX.06-6264-2740 HACCP 義務化について思う事 食品安全ネットワーク 幹事 猪野 祐二 アサヒフーズ株式会社 品質管理部長 を扱う会社で農地に有機質を還元する今でい うリサイクルのシステムを売る会社でした。 下水汚泥は水中に溶け込んだ栄養分を微生 物が取り込み水を浄化する際に発生します。 水中の汚れで増えた微生物は汚泥となって回 収されますが、この汚泥をコンポスト（堆肥） し、農地に還元する事業は今でこそ理解して もらえますが、当時はそんな意識はありませ ん。汚泥のコンポスト化事業は、海洋投棄が出 来なくなり処理に困っていた自治体にとって、 いよいよ HACCP の義務化が現実となり、 下水道処理費用を削減できるだけではなく、 食品のグローバルな品質管理と安全保証が求 焼却による大気汚染や焼却灰の埋め立てなど められていますが、様式化した品質管理によ 環境汚染を無くす上でも多くのメリットがあ り書式化を重視する事で明確になる事がある る事業でしたが、1980 年後半から 1990 年前 一方で、逆に見えなくなり見落とされ、伝承さ 半の日本はバブル期であり、あらゆる物が使 れなくなってしまう技術や食品を扱う者とし い捨ての時代でした。古くなったり、使えなく て大事な素養が失われてしまうのでないかと なったりした物は捨ててしまい新しい物を買 心配になります。 えば良いという時代です。また、会社経営や組 織の管理方法も日本古来のやり方は古臭く、 時代遅れで非効率、欧米の先進経営術が評価 １．短絡的に結果を求める事の愚行 され、効率的で短絡的に高収益が得られる事 話は変わりますが、食品衛生に関わる以前 が高く評価されていました。 の1990 年頃、私は農業関連の会社に勤めてい 当時はまだリサイクルという言葉は浸透し ました。下水を処理した際に出る汚泥をコン ておらず、篤農家と呼ばれる農業に熱心で研 ポスト （堆肥）化し、農地