Tel0282-27-3611Fax0282-27-4144家畜の暑熱対策について.pdfVIP

発行日: 平成27 年７月２日 県南家保だより 発行者：栃木県県南家畜保健衛生所企画指導課 〒328-0002 栃木市惣社町 1439-20 Tel 0282-27-3611 Fax 0282-27-4144 家畜の暑熱対策について 本県もじめじめと蒸し暑い梅雨になりました。例年では７月下旬頃に梅雨明けし、本格的な暑 ～い夏が始まります。 家畜の環境適温は 10～20℃で、25℃を超えると採食量等に影響を受け始めます。県南地域(グ ラフ1 ：小山市) の年間平均気温を見ると、平均気温で25℃を超えるのは７月ですが、最高気温で は６月からすでに超えています。また、梅雨時期は湿度も高いため、家畜は日によっては蒸し暑 い最悪な環境で過ごしていると言えます。 表１は平成26 年度の管内における暑熱被害状況です。本格的な暑熱被害は７月からですが、家 畜はそれ以上前から暑熱ストレスを少なからず受けているのです。 天候不良の合間に、できる範囲の暑熱対策を講じましょう。 この辺からキツい??? 最適温度域 表.1 平成26年度　県南家畜保健衛生所管内における暑熱被害状況(7～9月) 乳用牛 肉用牛 採卵鶏 月 戸数 頭数 戸数 頭数 戸数 羽数 ７月 2 ( 1 ) 2 ( 1 ) 2 ( 0 ) 2 ( 0 ) 4 ( 4 ) 860 ( 860 ) ８月 10 ( 6 ) 10 ( 6 ) 1 ( - ) 1 ( - ) 7 ( 7 ) 3,343 ( 3,343 ) 　＊括弧内は戸数及び頭羽数うちの死亡頭羽数、-は報告後の状況が不明な例 暑熱対策の基本は、人の熱中症対策と同じです。①環境温度を下げる、②脱水症状防止のため の水分補給、③ごはん(エサ) を食べやすくする、の３つが重要な対策となります。 個々の牛舎環境などによりできることは様々ですが、この３つの事を念頭に、それぞれの対策 について説明します。 ◎環境温度を下げる(牛舎環境の改善) 畜舎の構造は様々です。自分の畜舎構造を確認し、できる範囲で対応しましょう。 ○すぐにできること！！ ?今ある施設(主に換気扇など) の点検をしましょう。 換気扇はあるけど、肝心な時に壊れていたでは目も当 てられません。動作確認、消耗部品の点検、そして何よりも換気 扇の角度(斜め45℃) を確認しましょう(写真1)。 ?畜舎内の除ふんや換気をこまめにしましょう。 写真 1 写真1 家畜糞尿を放置するとそれが発酵(腐敗？) し、アンモニアなどのガスが発生します。発酵熱で 畜舎は暑くなり、アンモニアガスは人にも家畜にも悪い影響を与えます。また、換気は最も基 本的で簡単な対策ですので、必ず実施しましょう。 ○ちょっとした工夫でできること ?寒冷紗やグリーンカーテンの設置 朝顔やゴーヤ、キウイなどつる性の植物を畜舎で日差しが強い 所に植えます(写真２)。 朝顔やゴーヤは比較的成長が速いですが、原則として６月上旬 までに植えましょう。 また、寒冷紗であれば時期を選ばず簡単に設置できます。 写真 2 写真1 ?屋根への散水や石灰塗布