新建築基準法に対応した木質系防火処理木材の開発(Ⅰ).pdfVIP

岩手県林業技術センター　　 　　研究成果速報　 No.158 平成17年3月9日発行 新建築基準法に対応した木質系防火処理木材の開発(Ⅰ) ～商品化を前提としたシナ準不燃材の開発～ １　研究の背景 　県産材の利用拡大を図るため、平成 ○性能評価 ：ISO5660-1に従い試作品 12 年に改正された建築基準法の防火性 の燃焼試験を行った （図1）。その結 能基準に対応する防火処理木材の製造 果、試作品は下表に示す準不燃材料 と 技術の開発を進めてきた。 同等の防火性能を示した。 　今回、工業技術センター、独立行政 ３　成果と今後の進め方 法人森林総合研究所、県内企業との共 　今回の研究成果を技術移転した県内 同研究により、県産シナ材を使った準 企業において、国土交通大臣による防 不燃材料の商品化の見通しを得た。 火材料の個別認定 「準不燃材料 （認定 ２　製造方法と性能評価 番号 ：QM -0 30 1）」を取得し、シナ準 ○製造方法 ：県産シナ６mm板材に難 不燃材の商品化に成功した （図2）。 燃薬剤 （炎や熱で発泡して被膜を作る 　今後は、県産アカマツ、シナ材等を ことにより、熱や酸素を遮断して燃焼 不燃材料 とする製造技術の開発を進め を抑制する薬剤）を含浸した後に積層 る予定である。 接着し、厚さ15mmのシナ防火材料を試 作した。 表　不燃材料、準不燃材料、難燃材料の防火性能 輻射強度50ｋW/㎡の加熱に対して、下表中の時間のあいだ、①燃焼、②変形 や溶融?亀裂、③有害な煙やガスの発生がない建築材料 難燃材料（5分間）/難燃合板、難燃繊維板など 準不燃材料（10分間）/せっこうボード（9mm厚以上）、木毛セメ ント板など 不燃材料（20分間）/コンクリート、瓦、鉄鋼、ガラス、れんが、ロック ウールなど ＊不燃材料は準不燃材料に、準不燃材料は難燃材料にそれぞれ含まれる。 ＊上記に含まれない材料でも、国土交通大臣の個別認定を受ければ、上記材料として使用が可能になる。 a b 無処理材 処理材 a:無処理材は裏面まで燃え抜ける。 b:処理材は表面が炭化するだけ 図1　燃焼試験結果 図2　大臣認定を取得したシナ準不燃材料 (担当　木材部　専門研究員　中嶋　康) （商品名：いわて「準不燃」スーパーパネル） 連絡先 028-3623岩手県紫波郡矢巾町大字煙山第3地割字560番地11 TEL　019-697-1536 岩手県林業技術センター FAX　019-697-1410 ホームページアドレス　http://www.pref.iwate.jp/~hp1017/