放射線発生装置の解体等に伴って発生するRI汚染物の種類と物量につい.pdfVIP

資料第８－３－２号 放射線発生装置の解体等に伴って発生するRI汚染物の種類と物量について 平成21年7月24日 高エネルギー加速器研究機構 桝本 和義 放射線発生装置使用施設の解体等に伴って発生するRI汚染物の種類?物量に ついては、発生装置の種類、使用方法、加速粒子の種類やエネルギー等に応じ た分類を行い、全国に設置されている放射線発生装置使用施設全体を対象とし た調査を行った結果をもとに表記RI汚染物の種類と物量についてまとめた。 １．放射線発生装置の設置状況 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律（以下、「放射線障害 防止法」という。）では、加速の原理や形状から以下のように定義されている。 （１）電子加速器 直線加速装置、マイクロトロン、ベータトロン、シンクロトロン （２）粒子加速器 直線加速装置、コッククロフト?ワルトン型、ファン?デ?グラーフ型、 変圧器型、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、プラズマ発生装置 表１に上記分類にしたがった日本アイソトープ協会発行の放射線利用統計 (2008 年)によるまとめを示した。我が国に設置されている放射線発生装置総数 は1433台となっている。 放射線発生装置について業種?機関別に見てみると、約70%が医療機関に設置 されており、教育機関は 5％、民間企業、研究機関はそれぞれ約 10％となって いる。医療機関で最も多いのが直線加速装置(電子リニアック)であり、次にサ イクロトロンである。前者は主に照射治療に用いられており、後者は PET 診断 薬の放射性同位元素の製造に利用されている。医療機関では2000年に比べてサ イクロトロン 100 台、電子リニアック 200 台、合計 300 台の装置が増加してお り、医療機関での放射線発生装置の利用が進んでいる。 次に、発生装置の種類毎にみてみると、直線加速装置が約70％を占めている。 そのほとんどが電子リニアックであり、医療機関では放射線治療、民間企業で は非破壊検査等の目的に使用されている。この他、電子リニアックは研究機関 などで放射光用の電子シンクロトロンの入射器として利用されている。直線加 - 1 - 速装置には、陽子や重イオンを加速するものもあり、医療機関では粒子線治療 用の陽子シンクロトロンなどの入射器と して使用されている。次に多いのがサ イクロトロンであり、放射性同位元素製造や物理学研究用に利用されている。 ファン?デ?グラーフ加速装置、コッククロフト?ワルトン加速装置は加速エ ネルギーが低く、小型の装置が多い。ファン?デ?グラーフ加速装置は、イオ ン注入、加速器質量分析、元素分析などに利用されている。 ２．評価範囲 上記のことを考慮し、国内に設置されている主な放射線発生装置について、 以下のようにして、放射化によって発生するRI汚染物を見積った。 今回の調査では最も台数の多い医療機関については（１）電子を加速する治 療用リニアックおよびマイクロトロン、（２）PET 薬剤製造用小型サイクロトロ ン、および（３）陽子線および重粒子線を用いる粒子線治療用シンクロトロン を調査した。（１）および（２）は非常に台数が多いことから、物量調査には、 日本画像医療システム工業会の協力により、メーカーから提供されたデータを 用いることにした。（３）は粒子を加速する放射線発生装置として、以下のその 他の機関の調査に含めて行った。 その他の機関については、放射化が発生すると想定される施設について、（１） 電子を加速する放射線発生装置および（ ２）粒子を加速する放射線発生装置に 分けて物量を算定した。ファン?デ?グラーフ加速装置、コッククロフト?ワ ルトン加速装置は加速エネルギーが低く、放射化の可能性は低く、放射化があ ったとしてもその領域は極