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様式C-19 科学研究費補助金研究成果報告書 平成２１年 ４月３０日現 在 研究種目：基盤研究(B) 研究期間：2006～2008 課題番号 研究課題名（和文） セメントおよびコンクリートの衝撃破壊挙動の解明と耐 衝撃特性の向上 研究課題名（英文） Analyses of Impact Fracture Behavior on Cement and Concrete, and Improvements of Their Anti- impact-fracture Properties 研究代表者 田邊 靖博 (TANABE YASUHIRO) 名古屋大学?大学院工学研究科 ?教授 研究者番号 研究成果の概要： 実用衝撃負荷速度域において、建物が衝突による衝撃負荷を受けることを想定した研究を行い、繊 維の荷重保持力（強度×断面積の大きな繊維）が大きいほど耐衝撃抵抗性が高いこと、マトリックスが 延性であるほど破片が大きくなること、破壊靱性値が大きいほど欠損体積が小さくなること、を明らかに した。さらに、繊維の機械的特性によっても破壊現象が大きく変わることを明らかにした。高強度コンク リート、繊維とモルタルの密着性制御、ならびに高強度繊維を組み合わせることで、飛翔体の衝突で 材料中に大きな欠損が生じさせない、あるいは、飛翔体の運動エネルギー吸収能が高い、新たな繊維 強化モルタルあるいはセメントの作製に有効な設計指針を明らかにした。 交付額 （金額単位：円） 直接経費 間接経費 合 計 ２００６年度 6,800,000 2,040,000 8,840,000 ２００７年度 3,000,000 900,000 3,900,000 ２００８年度 2,300,000 690,000 2,990,000 総 計 12,100,000 3,630,000 15,730,000 研究分野： 工学 科研費の分科?細目： 材料工学?複合材料?物性 キーワード： セメント?モルタル、衝撃試験、PE 繊維、PVA 繊維、CNF、炭素繊維 １．研究開始当初の背景 の実用衝撃負荷速度域での破壊挙動の報告は ニューヨークWTCへの航空機衝突や尼崎 皆無に等しい。新材料創出の立場からは、強度 でのマンションへの列車衝突など、建物への衝 を不連続的?画期的に向上させ、いかなる衝撃 突は、想定外の衝撃負荷を与える。最悪の場合 に対しても破壊しないセメント等を創出すること は建物が崩壊し、崩壊しない場合でも建物が大 が理想であるが、そのコストは莫大なものとなる きな損傷を被ることが予想される。衝撃負荷速 ことが予想される。壊れることを受け入れ、壊れ 度100km/h(= 27.8m/s)から2,500km/h (= 694 ても損失を最小とできる材料、つまり、航空機衝 m/s)の実用衝撃負荷速度域において、建物が 突等の不測事態が発生した場合には、制御さ 衝突による衝撃負荷を受けることを想定した設 れた破壊を起こして２次災害を防止できるフェ 計が必要である。しかし、建物の重要な構成要 ールセーフ型材料の開発にむけたパラダイムシ 素であるセメントおよびコンクリート（セメント等） フト［破壊との共生