平成年度放射線障害防止法に基づく放射線管理実務講習会開催記（公立大学法人横浜市立大学附属病院）西山.pdfVIP

平成24 年度 放射線障害防止法に基づく放射線管理実務講習会 開催記 神奈川県放射線管理士部会 （公立大学法人横浜市立大学附属病院）西山 雄治 神奈川県放射線管理士部会、神奈川放射線安全管理研究会、神奈川核医学研究会、神奈川県放射線治療技 術研究会が主催、（社）神奈川県放射線技師会、（社）日本放射線技術学会?関東部会、日本放射線公衆安全 学会、日本放射線治療専門放射線技師認定機構、日本核医学専門技師認定機構、（特）日本核医学技術学会 が後援する平成24 年度 放射線障害防止法に基づく放射線管理実務講習会を平成24 年10 月21 日（日）に 駒澤大学 深沢キャンパス 120 周年アカデミーホールで開催致しました。 本講習会は、放射線障害防止法に基づいた内容で、1．「改正放射線障害防止法と学会標準の概要」、2．「申 請上の留意点ならびにターゲット等の放射線管理に関する具体的方策」、3. 「換算表を用いた核種、数量推定 の実際」、4. 「予防規程改訂に関する留意事項とサイクロトロン放射化物管理」、5．「定期検査?施設検査の 概要と留意事項」、6．「定期確認の概要と留意事項」、7.総合質疑の7 部構成で10:30 から17:00 終了予定を 超過して、熱心な受講、本講習内容や日常の放射線管理業務に対する積極的な質疑応答のある講習会となり ました。 総合司会は、小野 欽也 氏（川崎市立川崎病院）、講習会開催にあたり、神奈川県放射線管理士部会 部 会長 濱田 順爾 氏（横須賀共済病院）よりご挨拶を行いました。 1．「改正放射線障害防止法と学会標準の概要」は、藤淵 俊王 氏 （茨城県立医療大学）を講師に、平 成22 年4 月28 日成立、同5 月10 日公布、平成24 年4 月1 日施行された改正放射線障害防止法の改 正点の概要を中心に講義が行われました。主な改正点である、①放射化物の規制対象への追加（法第1 条）、②放射性汚染物の確認制度の導入（法第33 条の2）、③廃止措置の強化（法第28 条）、④譲渡譲 受制限の合理化（法第29 条）、⑤罰則の強化について、実例と学会基準を盛り込んだ丁寧でわかりやす い講義でした。会場より3 つ質問を受けました。 2．「申請上の留意点ならびにターゲット等の放射線管理に関する具体的方策」は、渡邉浩 氏（横浜労災 病院）を講師に、放射化物規制の今後として、①改正放射線障害防止法（平成24 年4 月1 日施行）、②医療 法（平成24 年現在調整中）、③学会標準（ガイドライン、法令を補完）の観点から管理、保管、廃棄の実際 について講義がありました。会場より1 つ質問を受けました。 3．「換算表を用いた核種、数量推定の実際」は、布施雅史 氏（国立がん研究センター）を講師に、関係 法令に関する申請、平成24 年3 月の事務連絡に記載されている医療用直線加速装置について、放射化物の 主要核種及び数量を算出するための換算表を用いた実際の講義がありました。換算の手順の例として、①放 射化物ごとにサーベイメータ等を用いて 1cm 線量等率の測定、②当該放射化物ごとの重量測定、③線量率測 定、重量及び各換算表を用いて当該放射化物ごとの放射能を求める。といった、実際行った例が示されまし た。 4．「予防規程改訂に関する留意事項とサイクロトロン放射化物管理」は、堀次 元気 氏（大阪大学大学院） を講師に、放射線障害防止法予防規定改訂に関する留意事項として、①変更手続きの期限、②基本的な留意 事項、③用語の定義?変更、④放射線施設に関する事項、⑤放射化物に係る記帳について、サイクロトロン 施設の放射化物管理として、①サイクロトロン施設に関する疑問点など、の講義がありました。 4．と5．の間に、原子力規制委員会設置法に基づき、平成24 年9 月19 日に発足した環境省外局原子力 規制庁原子力規制委員会と文部科学省、放射線障害防止法の関係について、総合司会の小野 欽也 氏（川 崎市立川崎病院）からトピックス提示がありました。 5．「定期検査?施設検査の概要と留意事項」は、久我和史 氏（（財）原子力安全技術センター）を講師 に、①特定許可使用者とは、②施設検査について、③施設検査の申請、④施設検査に必要な書面等及び事前 確認事項、⑤定期検査について、⑥定期検査における留意事項、⑦平成24 年4 月の放射線障害防止法の改 正に伴う注意点の講義がありました。リニアック室の申請図、追加遮へい鋼板竣工図平面図等を例に実際の 定期検査?施設検査の概