家庭教育支援総合推進事業「子育てほっ！とサロン」.pdfVIP

- 43 - 和歌山県教育センター学びの丘研究紀要(2007)－4 家庭教育支援総合推進事業「子育てほっ！とサロン」 －県立施設における３年間の事業展開をとおして－ 生涯学習支援課 【要旨】 家庭教育の充実を図るため，保護者等に対して学習機会の提供を行っていくこ とは，子育てに負担を感じたり，不安や悩みを持つ保護者を支援し，教育の出発点である 家庭教育の再生を図るうえで大切である。 教育センター学びの丘においては，乳幼児から小学生の保護者を対象とし，家庭教育の 「 」 （ ）充実をねらいとした子育て講座 子育てほっ！とサロン を３年間 平成17年度～19年度 実施するとともに，平成19年度には子育て支援者等研修会を実施した。 ， 。これらの事業を顧みることにより 家庭教育子育て支援の在り方について一考察を行う 【キーワード】 悩み等の相談，課題別学習，ふれあい交流，支援者等のスキルアップ １ 事業の位置づけ 「子育てほっ！とサロン」開設事業は和歌山県教育センター学びの丘（和歌山県立情 報交流センターBig?U内)に，国委託事業「家庭教育支援総合推進事業」を活用して，親 子が気軽に参加できる居場所として「子育てほっ！とサロン」(以下，サロンという)を 開設し，家庭教育子育て支援の推進を図るモデル事業である。 ２ 事業主体 上記の事業は「スペース ～遊Ｕ～ 実行委員会」が主体となって実施した。本委員会 ， ， ， ，は 県立紀南図書館長をはじめ 図書館ボランティア代表 子育て支援関係ＮＰＯ代表 新庄地区の有識者，和歌山県家庭教育インストラクター等計８名に実行委員を委嘱し， 年３回の実行委員会議を行い，内容?運営について協議のうえ事業を進めた。 ◇実行委員会事務局住所 和歌山県教育センター学びの丘 生涯学習支援課内 田辺市新庄町3353-9 TEL：0739-26-3514 FAX：0739-26-8120 ◇和歌山県教育センター学びの丘 当教育センター学びの丘は田辺市（人口 約84,000人）新庄町の丘陵地にあ る和歌山県立情報交流センターBig?U内に平成17年4月に開所した教育施設。 県立情報交流センターBig?U内には県立紀南図書館もあり，当教育センターと 併せて隣接する上富田町（人口 約15,000人）や白浜町（人口 約24,000人）等 からの家族連れを中心とした来館者が多い （本年度２月に開館3年目にして来。 館者100万人を達成）また，周辺には新庄総合公園や市立美術館がある。 - 44 - ３ 「子育てほっ！とサロン」事業について 【ねらい】 本事業は保護者同士が育児の疑 問や悩みを出し合い，テーマ学習 を通じて育児不安を解消し，親が 親となっていく学びの場になるよ う，また，親同士が学び，育ち合 う学習の場をめざしている。 また，講義の最中には一時保育 ルームを2時間30分設け，母親が 子どもから一時的に開放され，サ ロン終了後にはリフレッシュした 気持ちで子どもと接することがで きるように考慮した。 （１）事業内容 ①募集（対象の保護者） 平成17年度では 『初めて， 子育てに取り組んでいる保護 者』に絞った。その理由は幼 稚園や保育所等に入っていな い年齢の子ども（0～3歳）を もつ保護者を対象とすること で，共通の話題でサロンでの 話し合いが活発になり，サロ ンを通じて新たなネットワークができ，仲間といっしょに楽しみながら子育てに 取り組めるのではないかと考えたからである。 平成18?19年度は 『小学生以下の， 子ども（0～12歳）をもつ保護者』と 対象者の範囲を広げ，メンバー内の子 育ての先輩からのアドバイス等が受け られる異年齢間の親同士の交流を大き な目標とした。 また，平成18年度は仲間づくりに重 点をおき，１年間通して同じメンバー （ ） ， ，15名 で開設したが 平成19年度は より多くの方に受講をしてもらうため に，前期24名?後期24名と定員を増や した。 募集については，近隣の市町村在住者とし，当該の教育委員会等に募集チラシ を配布すると同時に当教育センター学びの丘のホームページにも掲載した。地方 紙にも募集要項を掲載し，参加を呼びかけた。 参加募集チラシ 保育ルームの様子 - 45 - ②参加者の人数、年齢等 年度別参加人数、年齢等 平成17年度 平成18年度 平成19年度 募集人数 前期 10組の親子 15名～20名 前後期 後期 15名～20名 定員24名 参加者数 前期 10名 15名 前期16名 後期 13名 後期13名 参加条件 0歳児から3歳児をもつ保 0歳児から小学生児童をも 0歳児から小学生児童をも （ ）護者 つ保護者 つ保護者 初めての受講者 【前期】 【年間通して