哲学思想の基礎2012その1ソクラテスの哲学.pdfVIP

哲学?思想の基礎 2012 その1_ソクラテスの哲学 1.先週(4.13) の「一言カード」より ?科学と哲学について ? 誤解：19世紀初頭まで、哲学は「科学」「理 論」という意味で用いられてきた。 ? 誤解： 19世紀まで哲学が科学だった。 反対→「科学」が「哲学」と呼ばれ、そう理解され てきた。科学は哲学だった。 ? ? 哲学と倫理（学）の違いは何か？ ? 政治学と哲学は関係があるそうだが、他にも 哲学と関係がある学問はあるか？心理学は どうか？ ? 科学は哲学から派生したそうだが、ではあら ゆる学問が哲学から派生し、哲学はすべての 学問の根本の学問ということなのか？ →「科学」を始めとする諸学問と「哲学」との関 係：これについて、古代ギリシアの場合を例に 考える。 →「哲学」とは何か？古代ギリシアでは何であ ると考えられていたのか、これをまず最初に知 る必要がある。 その他の意見 ? 授業内容の紹介の中に「倫理的な正しさとは 何か」とあったが、ということは、何が正しい倫 理かは分からない、ということではないか？ だとすれば、「倫理観を涵養する」ことなどで きるのだろうか？また、授業という知識のやり 取りを通して、「高い倫理観を涵養する」こと が可能なのだろうか？ →哲学とは何なのか？ 哲学を学ぶとは、どういうことなのか？ 哲学とは、知識を得る（知る）とは、「単なる 知識の修得」にすぎないのだろうか？ ? 哲学は役に立つか？ ? これまで役に立たないと思ってきたが、今日 先生は「役に立つ」と言った。 ? オウム真理教の場合などもそうだが、他にも 遺伝子技術の悪用の可能性など、何が正し いのかを見極めていかなければならないこと が多々ある。 ? 「正義」と「善」はどう違うのか？ →哲学はどんなふうに「役に立つ」のか？ 2. 「哲学」とは？ 「哲学」philosophiaの原義と「哲学」という日本 語の名前 →資料 1 ? 知りたい、愛知、知らないから知りたいと思う、 これが「哲学」。 ? 哲学の本質は「問い」にある、「答え」にある のではない。 →ソクラテス 3. ソクラテス 「無知の知」→資料 2 ? ソクラテスが持っていた無知の自覚を、他 の人々にももたせるために、ソクラテスの対 話活動が始まった。 ? 無知の自覚があってはじめて、自分に欠け ている「知」を求めようという気持ち（愛知）が 起り、また進歩も期待できる。 ? ソクラテスの対話 →資料 3 ? 「批判精神としての哲学」→資料 4 「偽物であるか、それとも真物であるかを検査 する」、この「吟味」することが知的な進歩には 不可欠。 ? このソクラテスの産婆術に従えば、哲学に おける根本の学びは、知識を外から植え付け る、あるいは植え付けられることではなく、自 らの「魂」精神から知識を生み出すという仕方 で考えられるような何か、ということになる。 ? そして、そういう対話的なやり取りの中でな ら、「倫理観を涵養する」ことも可能かもしれ ない。 ? 「吟味」の精神に裏打ちされた、知りたいとい う情熱 ― これがソクラテスの哲学の本質。 【今日の言葉】→資料 5 4. 何のための批判？ （哲学はどんなふうに「役に立つ」 のか？という問いに答えて） 哲学の二側面：ヘラクレイトスの二つ の言葉 Heracleitos の断片 Fr.35：智を愛し求める者は、実に実に多くのこと を探求しなければならない。 Fr.40：博学は覚悟（さとり）を教えはしない。 ? Corpus Aristotelicum（前一世紀に編纂）→資 料 6 ? 「プロトレプティコス?ロゴス」→資料 7 以上が、「科学」を始めとする諸学問と「哲学」 との関係について、古代ギリシアの場合の紹介 であり、かつ「何のための批判？（哲学はどん なふうに「役に立つ」のか？）」という問いに対す る一応の解答でもある。