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基礎からわかる倫理 47 第８講 プラトンの思想 ソクラテスの弟子?『ソクラテスの弁明』『クリトン』『パイドン』『饗宴』『国家』アテネの 郊外にアカデメイア学院 イデア（原型?本質）こそ永遠不変の真の実在である ＊イデア論「イデアこそ永遠不変の真の実在である」 ?洞窟の比喩『国家』（洞窟に閉じ込められている囚人は窓から差し込む太陽の光に よって壁に映し出される様々なものの影を真の実在と思い込んでいるに過ぎない） いま目に見えている様々な色や形の花は現象界の花であり、それぞれはいずれ枯れて 無くなってしまう。しかしどの花も「花という本質」を持っており、「花というイデア ＝真の実在」そのものは永遠不変である （「花」を「人」に置きかえても良い） 感覚的な幻影の現象界（現実の世界）から自己を解放し、太陽の光がふりそそぐ永遠不変の 実在世界であるイデア界へと魂を転換させることが哲学を学ぶことである ＊善のイデア（イデアのイデア） 個々のイデアを成立させている最高で究極のイデア これを知ることで個人や国家の秩序と正義は保たれる 現象界（目や耳など感覚で捉える現実の世界）は絶えず変化する 不完全な仮の世界にすぎない イデア界（ロゴス?理性によってのみとらえる完全で永遠不変の真の実在） こそが真の実在世界である（天上に存在し感覚ではとらえられない） 二元論的な世界観 第８講 プラトンの思想 48 人間とイデアの関係（唯一の接点は「魂」） 魂はかつてイデア界の住民であったが肉体を得たことで現象界に囚われた（肉体の牢獄） ＊想起（アナムネーシス）…魂がかつて見たイデアを思い出すことが真理の発見 ＊エロース…魂は常にイデアに憧れている、その精神的欲求（情熱）がエロースである 魂は肉体に閉じ込められイデア界を忘却してしまったが、感覚の世界（現象界）で 善?美を経験するたびにかつて見た理想のイデア界を想起する 人間の魂は永遠不変（不滅） 肉体は生死を繰り返す 善?美の経験 ↓ アナムネーシス プラトンの理想国家 魂の 三 分 説 理 性 気 概（意志） 欲 望 四 元 徳 知 恵（理性の徳） 勇 気（気概の徳） 節 制（欲望の徳） 調和して 正 義が実現 理想国家 統治者（知恵） 防衛者（勇気） 生産者（節制） 正義の国 それぞれの階級がそれぞれの徳をそなえれば秩序のある正義の徳が生まれる 哲人政治「哲学者が支配者となるか、支配者が哲学者とならない限り国家にも人類にも幸福はない」 キリスト教において平等に与えられる神の愛（アガペー）に対し、 プラトンのエロースは「憧れの愛」「恋い慕う精神的欲求」である。 イデア界 魂 魂 現象界 魂は２つの世界を往来 エロース 基礎からわかる倫理 49 プラトンの考え方に合致するものとして最も適当なものを，次の①～④のうちから一つ選 べ。[2010?センター?本試験] ① イデアは個物に内在する真の本質であり，感覚ではなく，知性だけがそれを捉(とら)え ることができる。 ② イデアは