スイッチトダイナミカルシステムの呈する現象の 論的な解析と工学的.pdfVIP

研究タイトル： スイッチトダイナミカルシステムの呈する現象の 理論的な解析と工学的応用に関する研究 氏名： 松岡 祐介／Yusuke Matsuoka E-mail： ymatuoka@yonago-k.ac.jp 職名： 助教 学位： 博士（工学） 所属学会?協会： 電子情報通信学会，IEEE キーワード： スイッチトダイナミカルシステム，分岐現象，カオス，超安定現象 技術相談 ?スイッチトダイナミカルシステムの呈する非線形現象、分岐現象の理論解析 ?同システムの呈する現象の数値シミュレーション、対応するテスト回路の実験 提供可能技術： ?カオスを発生する回路の解析と合成 研究内容 1： カオススパイキング発振器にみられる非線形現象の解析と実装に関する研究 カオススパイキング発振器（CSO）とはインパルス的な動作をするスイッチを含む非線形回路で表される発振器 です。図 1 が CSO の模式図です。ここではキャパシタ電圧v , v がシステムの状態変数です。スイッチ S はあるスイ ッチング制御の条件を満たした時に、閉じる動作を行います。状態は「振動をし、ある時にスイッチが閉じ1 2 v は直流 電圧源 E にリセットする」という動作を繰り返します。このことで、システムはカオスアトラクタや分岐現象、同期現象、1 カオス的なスパイク列といった非線形システム特有の現象を呈します。 図 2 に典型的な現象例を示します。上図はカオス的な反応、下図は超安定的な反応でどちらも非常に興味深 い現象です。これらは回路の素子値（パラメータ）やスイッチング条件を変えることで多彩な現象を呈します。またこ の CSO は一種のスパイク出力システムとして捉えられます。このスパイク出力を他の CSO の入力にすることで結合 系、パルス結合ニューラルネットワークやそれを応用した画像領域分割などの応用が研究されています。CSO の解 析は非線形問題という基礎と工学的応用という両方の面から重要であると考えています。 これまでは区分線形なベクトル場をもつ CSO が研究されていましたが、本研究では区分定数ベクトル場をもつ CSO（PWC-CSO）のダイナミクスについて研究してきました。図 2 の現象も PWC-CSO の現象例です。PWC-CSO は 区分定数ベクトル場をもつので、軌道は区分線形になります。これにより理論解析が可能になり、どのパラメータでど のような現象を呈するのかといったメカニズムが理論的に明らかになりました。また CSO 自体、回路モデルも簡素で 図 2 のように電子回路による現象の確認も容易であるという利点も挙げられます。 v1 v2