山間地における大気拡散モデル よる現況再現性の比較検証.pdfVIP

研究論文 1-1 １．２目的 本研究では解析解モデルであるプルームモデル 山間地における大気拡散モデル と、数値解析モデルの一種である差分モデル［２］のそ による現況再現性の比較検証 れぞれを用い、同一の条件、すなわち①地域（山間 地）、②発生源条件において、大気汚染の現況再現 （検証）を試みた上で、両者について比較すること 青山貞一 1 鷹取 敦 2 とした。ここでは、いずれのモデルが大気汚染の拡 散現象をより正確に再現できるか比較?検討するこ とを目的とした。 予測方法 拡散計画 解析解 プルームモデル 正規型 １．はじめに パフモデル 非正規型 １．１背景 数値解析 差分法 環境影響評価において事実上の標準モデルとして 有限要素法 最も一般的に用いられている大気汚染予測モデルは 統計的方法 回帰モデル 模型実験 風洞模型実験 有風時は正規プルームモデル、弱風時はパフモデル その他（水槽実験等） である［１］。 図１‐１ 主な予測手法の分類［４］ これらは、移流拡散を記述する運動方程式を一定 条件下で解くにあたり、地形的要因を捨象すること によって導かれた解析解モデル［２］である。すなわち、 ２．現況再現の概要 運動方程式は非線形の偏微分方程式であり、解析解 ２．１ 対象事業（環境影響評価事例） が得られるのは特別な場合に限られる。その結果、 本研究では、実際に行われた環境影響評価におい 山間地や丘陵部、建物等の影響を大きく受ける地域 て大気汚染の予測モデルの信頼性に関して争われて にプルームモデルを適用した場合、概して地形、構 いる「首都圏中央連絡道（圏央道）八王子ジャンク 造物、建築物等を考慮することが可能なモデルによ ション建設事業」［５］（以下、「圏央道?八王子 JCT」 る計算結