第13章 源氏物语课件.pptVIP

５．『源氏物語』の後世への影響について述べなさい。 『源氏物語』の影響で多くの物語が作られた。しかし『源氏物語』を超えるものはなかった。１１世紀後半から院政が始まり、摂関政治の衰退で女房社会が沈滞したことが原因の１つである。 『源氏物語』は歴史物語の分野にも影響を与え、『栄花物語』や『増鏡』が成った。また鎌倉時代に擬古物語といって、平安期の物語を模倣した作品が作られたが、すべて源氏物語の影響下にある。 ※鎌倉以降は省略 第13章　源氏物語 『日本文学史』高鹏飞 平山崇　著 紫式部年表 970年頃　誕生 998年頃　結婚 1001年　『源氏物語』執筆開始 1005年頃　彰子に出仕する 1007年　『紫式部日記』成立 1013年頃　宮仕えを辞去 1015年頃　没 作者 紫式部-------平安中期の女流文学者。36歌仙の1人。 父の藤原為時は、著名な漢学者である。 父方にも母方にも著名な勅命和歌集の歌人が多い。 恵まれた文芸と学問的環境に成長した。 成立 紫式部は幼少の頃から父より漢詩文、和歌、音楽などの教育を受けてきた。 1001年、夫と死別。?『源氏物語』を執筆し始める（推定） 意図------死別の寂しさを紛らわせるためか。 成立２ 『源氏物語』の評判が宮廷に届く。 100５年頃、中宮彰子に仕える。 宮仕え以後も書き続ける。 1008年頃、大部分が完成。 54帖すべてがいつ書き終わったかは不明。 原本は現存しておらず、最古の写本は鎌倉時代のものである。 時代背景１ 7世紀～9世紀　中国文化の摂取 10世紀～　国風文化の隆盛 平仮名の発明は、心の有様や微妙な感情を表記することを可能にした。 時代背景２ 701年大宝律令～律令政治 858年～摂関政治；藤原一族が、天皇の代わりに政治の実権を握る。摂政?関白は、天皇の補佐役の役職名。 時代背景３—摂関政治--- 仕組み----①摂政?関白が、自分の娘を、天皇の妻にする。②生まれた子供はのちに次の天皇となる。③その天皇と摂政?関白は血縁関係にある。だから天皇に対して権限がある。 1人の天皇に対して、多くの皇子（皇位継承者）がいる。（天皇は多くの妻を持っているから） もし妻の教養が高ければ、天皇の印象もよくなる。その妻の子供を次の天皇にしようと思う。 時代背景４ 摂政?関白の貴族は、自分の娘（今の天皇の妻）に、家庭教師を付ける。 その家庭教師を女房という。 女房の地位は高かった。 女房の多くは受領階級の中級貴族の娘で、教養を身に付けていた。 経済的?身分的に高価な紙を手に入れることができた。 時代背景５ 当世の一条天皇は才学があった。-----文学が生まれやすい土壌を作っていた。 摂政たちも文学の創作を奨励した。 これらの環境?背景があって平安時代の女房文学は隆盛した。 時代背景６ 11世紀後半～院政開始 政権が貴族から上皇に移るのに伴って、女房の地位も下がった。 院政期には保元の乱、平治の乱が勃発し、武士が台頭していた。それは貴族ばかりか朝廷全体の退潮を意味していた。 この時代の雰囲気の中では、かつてのような文学の執筆意欲も出てこなかった。 鎌倉時代の武家政権になると、この傾向はさらに強まり、かつての栄華を回顧する擬古物語しか生み出せなかった。 女房制度は江戸時代まで続くが、その文学が復興することは二度となかった。 「源氏物語」の時代背景のまとめ 貴族の時代 女房の地位が高かった 国風文化の隆盛期 その他の成立要因??????自然 日本は四季の変化、山川、海洋など自然に恵まれている。 記紀歌謡や万葉集の歌は、自然を歌い上げている。 紫式部がいた京都は、東山?西山?北山に囲まれ、加茂川?桂川が流れる。 これらは物語や日記文学、和歌に取り入れられ、詠まれている。 一般に、自然や地理的変化に乏しい砂漠?孤島は文学が育たない。反対に自然が豊かだと文学も豊かになる。 『源氏物語』が成立した背景の一つには、自然の美しい京都に作者がいたことが挙げられる。 『源氏物語』に影響を与えた作品 伝奇物語『竹取物語』??????虚構性 歌物語『伊勢物語』??????歌と物語の融合、一　　 　　　代記という体裁 長編物語『宇津保物語』??????写実性 日記文学??????内面描写 中国文学??????白居易など 『源氏物語』の内容 貴族社会が舞台 主人公は光源氏。子の薫、孫の匂宮までの74年間を描く。 登場人物-----300人を超え、帝も4代に渡る。 虚構の物語の中で人間の真実に迫る。 第1部 第1帖「桐壺」から第33帖「藤裏葉」までである。 主人公の40年間の多様な恋の遍歴と栄達が描かれる。 冒頭文 いづれの御時にか、女御、更衣、あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき