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第28号 平成23年７月１日発行 JICHI MEDICAL UNIVERSITY SAITAMA MEDICAL CENTER 自治医科大学 さいたま医療センターだより TEL.048­-647-2111　FAX.048­-648-5180　URL：http://www.jichi.ac.jp/center （幸手市・権現堂公園） センターだより 第28号 ご案内 ○災害と眼の病気（眼科　山上博子准教授） ○スタッフ紹介（皮膚・排泄ケア認定看護師　佐々木智子看護師） ○職場紹介（５階Ｂ病棟） ○薬の小窓・・・第６回　「薬の管理」について ○お知らせ・・・本館病棟改修工事のお知らせ／認定証が交付される！ 　　　　　　　　さいたま医療センターの災害支援活動について さいたま医療センター　理念・基本方針 理　念 基本方針 １．患者中心の医療 １．患者の皆様を尊重し、開かれた安心できる医療を提供します ２．安全で質の高い医療 ２．チーム医療を推進し、安全で質の高い医療を提供します ３．地域に根ざした医療 ３．地域との連携を深め、基幹病院としての役割を果たします ４．心豊かな医療人の育成 ４．地域医療に貢献する医療人を育成します （2）第28号 さいたま医療センターだより 平成23年７月１日 災害と眼の病気 眼科准教授　山上博子 この度の東北地方太平洋沖地震により、多くの方々の命が奪われ、被災によって通常の生活が 営めず、続く余震、原発の危機など、今もって生命や健康の危険にさらされている方々が多くい らっしゃることを思い、心よりお見舞い申し上げます。地震に引き続いて起こった想像を絶する 津波、原発の被災による放射能汚染の波及など、この地震は、被害の及ぶ地域、人数、時間の長 さにおいて、比類をみない規模の災害と考えられます。今回は、災害と眼の病気について考えて みたいと思います。 災害に見舞われたとき、落下物や倒壊した家屋 • 家財、津波によって流れてきた流木や土砂 などで眼をぶつけ傷が出来る外傷、眼の中にゴミが入るなどの異物による組織障害が起こること があります。傷だけであれば数日で自然に治りますが、細菌などが入り、放置されると感染性潰 瘍から眼球炎に波及し失明してしまう場合もあります。受傷後に痛みや充血、視力低下が悪化す る場合には、早急な眼科診察と治療が必要です。 続いて家屋の倒壊や浸水後の埃などによる不衛生、水、電気、ガスといったライフラインの断 絶から発生した不衛生に伴う疾病（感染症）も問題となります。不用意に眼をこすらない、手を 清潔に保つなど、感染予防に努めることが重要です。 また眼鏡の破損や、眼鏡やコンタクトレンズを紛失したことなどによる視力不良では、早急な 眼鏡やコンタクトレンズ作成 • 入手の手配が必要です。使用されている眼鏡レンズ度数やコン タクトレンズのパワー（視力ではなく）を知っておくと良いでしょう。一方、コンタクトレンズ のケア用品の紛失や、ケア用品が入手出来ない等で、不適切なコンタクトレンズ装用を余儀なく された為の角膜障害は、さらに問題です。不衛生も手伝い、細菌性角膜潰瘍や、アカントアメー バ角膜炎発症による失明の危険が高くなります。コンタクトレンズを扱う手指やケースの清潔を 保ち、適切な洗浄液や保存液を使用