Q58(標準予防策)ペーパータオルの導入について(PDF書類).pdf

Q５８ （標準予防策） 　ペーパータオルの導入について 当院の現状：リースのロールタオルを設置し使用している。すべての洗面、手洗いに設置されているわけで はないので、ステーションに戻って手洗いをするか又は病室の入り口に設置している手指消毒剤を使用する という状況である。 　今回、手洗いをいつでもどこでも推奨するために、ペーパータオルを導入したいと考えています。感染防 止において、ペーパータオルが良いという根拠、資料があれば教えていただきたいと思います。 A５８ ® 　手洗い後の手指の乾燥には布タオル、紙タオル、電動式手指乾燥機（ジェットタオル ）があります。こ れら3つの方法を比較した検討では、電動式手指乾燥機が最も手指の残存微生物の減少が多く、布タオルが 式手指乾燥機の比較では、手指の残存菌数に差がみられなかったとする報告もあります（J Hosp Infect:85-88,1987）。一方、総説で引用されていますが原文が入手できないため詳細は不明ですが、電動 式手指乾燥機で手指を乾燥させると逆に細菌数を増加させるとする報告もあります（インフェクションコン トロール:1178-1186,1999）。 　また手洗いに関するガイドラインとしてCDCとAPICよりガイドラインが作成されています（CDCのホー ムページより参照可能）。それらのなかでは両者とも紙タオルを推奨しています。 　病室における手洗いでは、使い回しの布タオル使用は厳禁すべきです。前述しましたように布タオル使用 は電動式手指乾燥機や紙タオルと比べ劣っていますし、現実的に新しい布タオルを各病室で毎回用意するの は不可能でしょう。電動式乾燥機は音がうるさく病室には不向きで、一人乾燥するのに30秒近くかかりそ の間、他の人は乾燥できないなどの欠点があります。また紙タオルもコストやゴミ処理といった問題点はあ りますが、現在のところ各病室においては紙タオルを用い手を拭くことが最もよい乾燥法であると考えられ ています。 70 Q５９ （標準予防策） 　当施設では排泄介護のオムツ交換時に予防着を着用しておりますが、過日先進的ケアを実施しているとの 評価の高い某施設を見学したところ、予防着は感染症のケアをするときには使用するが、普段はまったく着 用しないと話を伺いました。また、その後当施設にて職員研修会を実施した際の講師の話では、予防着は着 用するのが当然と言われました。 　施設内感染対策ならびに予防の立場から、どちらがよいでしょうか。 A５９ 　手袋・エプロン・マスク・ゴーグルなどの保護用品は、交差感染の防止と医療従事者の保護のために実施 されるものです。CDCの標準予防策では、ガウンやエプロンの着用について、「患者の湿性生体物質（血 液・体液・排泄物など）で衣類が汚染される可能性があればガウンやプラスチックエプロンを着用する。」 としています。これらを踏まえてオムツ交換時の予防衣の着用について考えてみたいと思います。もちろ ん、感染対策・予防の観点から最も重要なことは手洗いであるということになります。その上で予防衣につ いて考えてみますと、交差感染予防の点からいえば、オムツ交換も体液によって衣類が汚染される可能性が あるため、着用することが望ましいと考えます。ただし、多人数の方のオムツ交換を同時に実施する場合な ど、同一の予防衣をつけたまま（予防衣を着けているからと汚染を気にせず）他の方のケアに移行するよう では着用の意味が半減するように思います。しかし現実的には、オムツ交換の度に、個々の患者一人一人予 防衣を交換することは無理だと思います。ですから、基本は手洗いとし、感染症だけに限らず、汚れたら交 換することを原則にし、患者の状況によりオムツ交換時に濃厚な接触が必要な方や、あるいは下痢や失禁状 態で汚染がひどい方などは患者ごとに予防衣をつけることが必要ではないかと思います。 71 Q６０ （標準予防策） 　当法人は高齢者福祉のケアハウス50人定員、グループホーム９人定員、デイサービス25人定員及びホー ムヘルパーステーション利用者約50名を運営しています。 　職員健康診断で介護職員の中にC型（GOT45、GPT58）肝炎（キャリアーかどうか不明）、B型 （GOT170、GPT359）肝炎ウイルスのキャリアー、各１名が