もしかして、顔面神経麻痺 と思ったら.PDF

”もしかして、顔面神経麻痺？“ と思ったら 一般に、「顔が麻痺している」という場合、 A) 感覚の麻痺（顔の一部もしくは広い範囲の感じが分からない、しびれている） B) 運動の麻痺（顔の一部もしくは広い範囲で、思うように動かない） の、2通りがありますが、「顔面神経麻痺」とは、B （運動の麻痺）のことを指します。 原因・機序などの難しい話は別にして、「顔が思うように動かない」と感じたら、 程度の差こそあれ、顔面神経麻痺の可能性があります。 「もしかして？」と思ったら、まず次ページ図2のフローチャートで、自己診断して下さい。 その中でも、至急に病院を受診した方がいい場合が2通りあります。いずれも急性発症ですが、 図1 右顔面神経麻痺 Ⅰ．何の原因もないのに、いきなり（「朝起きたら急に」とか）顔が動かない場合。 ウィルス感染によるものや脳卒中などが疑われ、一刻も早く、専門的検査や治療が必要です。 →至急、耳鼻科または脳外科を受診して下さい。 Ⅱ．顔に深い傷を負ったら、急に顔の一部もしくは片側全部が動かなくなった場合。 顔面神経が「物理的に」切れてしまっている可能性があり、一刻も早く、神経縫合する必要があります。 →至急、形成外科を受診して下さい。 Ⅰ、 Ⅱともに、治療開始が遅れるほど、大きな後遺症を残す可能性があるので、速やかに病院を受診して下さい 図2 顔面神経麻痺になったときの、受診先のフローチャート 顔面神経麻痺になった原因は？ 原因不明 顔面神経の物理的切断以外 顔や頸部、脳の 顔の外傷 （けが） 発症は、いつですか？ 腫瘍摘出後 以前から 急に 至急 ！ 治療しましたか？ 麻痺は顔だけですか？ 未治療 顔だけ 顔以外も 治療したが、 後遺症が残った （手足など） まずは 至急 ！ 形成外科へご相談下さい 至急 ！ 東京医科歯科大学形成外科 耳鼻咽喉科へ 月・金の午前外来 紹介状 お問い合わせ先 03-5803-5924 or 脳神経外科へ mastplas@tmd.ac.jp 形成外科で治療を行う顔面神経麻痺 顔面神経麻痺には、急性期のものと慢性期のものがありますが、 形成外科で治療を行うのは、慢性期（陳旧性）がほとんどです。 a) 急性期： 外傷による、顔面神経の物理的な損傷 図3のような顔面神経の走行中のどこかで神経が切断された状態です。 できるだけ早く、神経縫合手術を行う必要があります。 b) 陳旧性顔面神経麻痺： 形成外科を受診するまでの代表的経過としては、 ・ ウィルス感染や特発性顔面神経麻痺を治療したが、 後遺症で麻痺が残った。 ・ 顔面の腫瘍、