【アメリカ】南シナ海における領有権紛争に関する決議.PDF

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【アメリカ】南シナ海における領有権紛争に関する決議

日本関係情報 【アメリカ】 南シナ海における領有権紛争に関する決議 海外立法情報課・新田 紀子 *2011 年6 月27 日、上院は、南シナ海における領有権紛争について、平和的かつ多国間の解決 への支持を再確認する決議を可決した。 南シナ海領有権紛争に関する上院決議 2011 年 6 月27 日、上院は、同日にジム・ウェッブ(Jim Webb)上院外交委員会東ア ジア・太平洋問題小委員長兼軍事委員会人事小委員長(民主党、バージニア州)が提出 した 「東南アジアにおける海洋領域紛争(maritime territorial disputes)に関する平和 的かつ多国間による解決」に関する上院決議(S. Res. 217)(法的拘束力のない、上院の 意思表明決議)を満場一致で可決した。 共同提案者は、外交委員会アジア・太平洋問題小委員会及び軍事委員会に所属する ジェームズ・インホフ(James M. Inhof)(共和党、オクラホマ州)上院議員、ダニエル・ イノウエ(Daniel K. Inouye)(民主党、ハワイ州)上院歳出委員長、ジョセフ・リーバ ーマン(Joseph I. Lieberman)上院軍事委員会空陸小委員長(コネティカット州、無所 属)の3名である。なお、7 月 15 日、下院には、南シナ海のほか、東シナ海、黄海に 言及した同様の決議案(H.Res.352)が提出されている。上院決議の概要は次のとおりで ある。 決議の内容 前 文 南シナ海における海洋領域紛争について平和的かつ多国間の解決を要求する。その 理由は、以下のとおりである。 2011 年6 月のベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で中国艦船3 隻によるベトナム探 査船への衝突・妨害行為という武力行使、また 5 月のカムラン湾近くの南シナ海にお ける中国の海洋安全保障船によるベトナムの探査船への妨害行為、及びフィリピン政 府の発表によれば 3 月の中国の巡視船複数によるフィリピン監視船への衝突の企てと いった事件が、スプラットリー諸島及びパラセル諸島を含む南シナ海の紛争海域で発 生した。 スプラットリー諸島については、中国、ベトナム、フィリピン、台湾、マレーシア 及びブルネイが領有権を争い、パラセル諸島においては、中国とベトナムが領有権を 争っている。中国は、ほとんどの南シナ海の領有を主張している。 2002 年、ASEAN 各国と中国は南シナ海における関係国の行動規範に関する宣言 (DOC)に署名した。同宣言により、関係者は「南シナ海及び同上空における航行の自 由の尊重と約束を再確認」し、「領土及び管轄に関する紛争を軍事的圧力や武力に拠ら 外国の立法 (2011.8) 国立国会図書館調査及び立法考査局 日本関係情報 ず平和的に解決」することを約束している。 南シナ海はインド洋と太平洋の間の死活的な商業航路と両大洋への接続点を含んで おり、米国は紛争当事者ではないが、関係者が領有権の強硬な主張のために一方的に 武力を行使しないように確実にすることに、経済・安全保障上の国益を有する。 2010 年 9 月、中国政府は、東シナ海の日本の法的な施政下にある領土、尖閣諸島の 海域内でも意図的に議論を引き起こした。 中国政府の南シナ海における行動は、2001 年の中国戦闘機と米国の偵察機衝突事件 (EP-III 事件)や、2009 年 3 月の米海軍音響観測船インペカブル号への嫌がらせ、また 同年 6 月の中国潜水艦と米駆逐艦ジョン・マケインの音波探知機ケーブルとの衝突な ど、国際的な海域 ・空域を航行する米国の軍用船及び海洋船舶に影響を与えた。 米国は、すべての諸国と同様に、アジアの共通海域(maritime commons)への航行の 自由と開かれたアクセスに国益を有している。米国政府は、DOC への支持を表明して おり、さまざまな領土紛争解決のために、すべての権利要求者による威嚇(coercion) のない協調的な外交プロセスを支持している。また、米国は、航行の自由と妨げられ ない経済開発・商業に国益を有している。 2010 年 10 月 11 日、ゲーツ国防長官は、「米国は常に、国際海域における通過及び 同海域における活動についての自らの権利を

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