交付申請書-SBC信越放送.PDF

研 究 結 果 報 告 書 平成２４年１月1３日 財団法人 長野県学校科学教育奨励基金 理事長 田幸 淳男 様 学校名 長野県上伊那農業高等学校 学校長名 塩 崎 正 印 １．研究テーマ かんじょうはくひ 大粒系ブドウの栄養繁殖・環状剥皮技術の試行及びブドウ果房の収穫後の貯蔵に関する研究 ２．研究グループ名 長野県上伊那農業高等学校 果樹班 学年及び人数 ３年 １６名 ２年 １４名 １年 ２名 合計 ３２名 ３．指導者 きた はら ち とし 氏名 教諭 北原 千歳 ４．研究の動機及び目標 （１）研究の動機 ブドウは上伊那地方ではあまり栽培されていない為、人気の果樹の一つである。現在「ピオーネ」品種を中心 とした簡易被覆栽培、「ナガノパープル」品種を中心とする雤除け栽培、「巨峰」品種を中心とする露地栽培が本 校での栽培様式であり、主要な果樹となっている。県内外、果樹栽培農家がブドウに着目し導入する動きが顕著 である。人気品種への更新、着色向上技術としての環状剥皮、収穫後の貯蔵技術・期間等の研究により、おいし いブドウ生産に関する研究を今年度の取り組みとしたい。 （２）研究の目標 過去３年間の改善プロジェクトにより長野県オリジナル品種“ナガノパープル”を中心とする大粒系ブドウの 雤除け栽培技術の基礎ができた。今年度は既存の経済価値が低下したブドウの旧品種に対する接ぎ木による品種 更新により活着を試みたい。ブドウ新品種の苗木は高価であるので、取り木繁殖法にて増殖を試みたい。さらに 西南地方の技術であり寒冷地である本県ではほとんど行われていない環状剥皮技術を着色困難な品種に試みた い。さらにブドウは収穫後の貯蔵条件によりいつまで貯蔵ができるのか試し、最終的には有利販売について模索 したい。 （３）特に力を注ぐ点 ブドウ以外の果樹においては、休眠枝を用いた接ぎ木技術が確立し、優良品種への更新ができたが、ブドウの み数年間にわたり失敗している。昨年度長野県果樹試験場にてご助言を受けた担当研究員の著作等を参考に成功 させたい。緑枝接ぎはその時期に採取できるが、これ以外、休眠枝も採取し冷蔵保存し試みたい。ブドウは本校 においては最も人気がある果物であり、最近の有望品種 「ナガノパープル」を人気がなくなりつつある「巨峰」 品種に接ぎ木を行い更新したい。「ナガノパープル」品種の苗木は高価であるため、既存樹より、取り木繁殖法 という栄養繁殖法により、独立した個体を作り、苗木作りに挑戦したい。また、環状剥皮技術は、失敗するとブ ドウ樹が枯死すると言われているが、どの程度幹の皮をむけば良いかなど継続研究を視野に試みたい。 （４）数年間の研究成果 【平成２０年度】 「雤除け栽培におけるジベレリン１回処理法による花振るい防止と着粒向上に関する研究」 平成１９年度「ピオーネ」品種に対して成功したジベレリン１回処理法は、「ナガノパープル」品種では赤熟 れ、小果粒となり不向きであり、果房も小さく適さなかった。 【平成２１年度】 1 「ナガノパープル品種への第１回目及び第２回目のジベレリン処理濃度とフルメット液剤加用の有無がブ ドウの着粒数、房の長さ及び果房品質に与える影響」 フルメットの濃度が高いと赤熟れ果粒になり、裂果については、フルメット液剤の濃度以外、土壌水分 との関係もあり定かではない。 【平成２２年度】 「短梢剪定法によるブドウ雤除け栽培～大粒系ブドウ“ナガノパープル”を中心とする品質向上に関する研究～」 摘心については、長野県果樹試験場の指針では、展葉８～１４枚時（満開１５日前～開花直前）に新梢 先端の１～２葉程度を軽く摘み取る。開花直前の花穂の整形（別名：房作り）と合わせて実施すると、効 率的であり効果も高い。実際摘心時期を開花開始期２１日前～開花後１１日の幅広い期間にて実施したが、 果房品質にお