损益分岐点分析例.PDF

損 益 分 岐 点 分 析 ● ここでいう損益分岐点とは、収支が均衡する学生数をいう。 具体的には学納金、経常費等補助金などの経常収入（教育活動収入計＋教育活動外収 入計）と、人件費、教育研究経費、管理経費などの経常支出（教育活動支出計＋教育活動外支出計）がイコールになるときの学生数のことである。 ● 損益分岐点をシミュレーションすることによって、たとえば学生の獲得目標数の設定や支出の削減に活用することができる。学校法人の場合、支出構 造が固定的なので、現在の経常支出をまかなうためには学生を何人獲得しなければならないか、あるいは現在の学生数ではどのくらい支出を抑えなけ ればならないかの目安として利用できる。 ● 損益分岐点分析では、通常はコストも固定費と変動費に分けて計算するが、ここでは簡易的に経常支出すべてを固定費として取り扱う。 ● 学生数の増加が難しい場合には、教職員数の適正化や奨学費等 経費の見直し等により、支出を下げることで損益分岐点を引き下げることも可能で ある。 ● 現状と比較してあまりに分岐点が遠く、キャッシュベースの経常支出をまかなうことさえ難しい場合は、定員を大きく下回る部門（あるいは学部等）の募 集停止を早期に決断することも考えられる。 収入の定義 変動的な経常収入と固定的な経常収入 経常収入（教育活動収入計＋教育活動外収入計）のうち、学生数の増減に比例して増減するものを、変動的な経常収入とする。 学納金および経常費 等補助金が該当する。 収入（千円）　 一方、経常収入から学納金および経常費等補助金を控除したものを、学生数の 増減に比例しない固定的な経常収入とする。 寄付金や付随事業収入、雑収入、 受取利息・配当金などが該当する。 経常収入 1 【線１】 （学納金＋経常費等補助金）の金額を表す線 学生数の増減に比例して収入が増減するので、変動的な経常収入とする。 学納金＋経常費等 線の傾きは、学生一人当たりの収入単 （（学納金＋経常費等補助金）÷ 補助金 現員）を表す。 線２ 【線２】 経常収入の金額を表す線 線１ ＝学生１人あたりの収入単価×学生数＋固定的な経常収入 経常収入－（学納金 ＋経常費等補助金） 学生１人当たりの収入単価に学生数を乗じて変動的な経常収入 を求め、これに固定的な経常収入を足したものが経常収入の総額 学生１ 人当たり となる。 の収入単価 ０ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　現員 学生数（人） 支出の定義 固定費的な性格が強く削減が難しい順に、経常支出（教育活動支出計＋教育活動外支出計）を下記のとおり区分した。たとえば人件費については、学 校法人の教職員は終身雇用が大部分を占めることから、経費に比べると固定的である。 【イ線】 人件費の金額を表す線 年度によって大きく増減する退職金関係（退職金、退職給与引当金繰入額等）は、特に抜き出して表示している。 【ロ線】 （人件費＋減価償却額を除く経費）の金額を表す線 減価償却額は現金の支出を伴わない費用であり、キャッシュベースの経常支出を算出する目的で経費から除いている。経費のうち奨学費と修繕費 については、特に抜