损益分岐点売上高って？.DOC

損益分岐点売上高損失も０、利益も０すなわち損益トントンの状態の売上高を損益分岐点売上高をいいます。 右の図は損益分岐点売上高を示しますが、売上高線と総費用線が交わった点が損益分岐点売上高となります。単に損益分岐点（ＢＥＰ：Break Even Point）ともいいます。総費用＝固定費＋変動費 損益分岐点売上高で使用する公式 損益分岐点売上高 固定費÷限界利益率 利益 売上高－（固定費＋変動費）＝限界利益－固定費＝売上高×限界利益率－固定費 限界利益 売上高－変動費＝売上高×限界利益率 限界利益率 （限界利益÷売上高）×１００＝｛１－（変動費／売上高）｝×１００＝１－変動費比率 変動費比率 変動費÷売上高 損益分岐点率 （売上高÷損益分岐点売上高）×１００ 経営安全率 １００－損益分岐点率  変動費と固定費って？ 変動費は、売上高に連動して増減する費用で、売上原価（製造?加工原価率○％）、人件費（忙しいときの応援）、変動家賃?共益費（売上の○％）、広告宣伝費（売上の○％）、事故弁償費他 固定費は、売上高にかかわらず一定額で発生する費用で、人件費、固定地代家賃?共益費、通信費、保険料、水道光熱費、広告宣伝費（定額）、賃借料（リース料）、減価償却費、雑費、支払利息、販売管理費配賦他 製造原価を工場からの仕入れと見なし変動費としましたが、会社全体で考えるときは、製造原価も変動費と固定費に分解します。今回はお店（儲け）の概算のため、（年間の加工原価／年間売上高）×100を変動費として計算します。 変動費と固定費の分解は勘定科目法によることがより実務的ですが、例えば、水道光熱費は、基本料金が固定費で、増加分は変動費となるなど両方の要素を併せ持つ勘定科目があります。今回は概算のため金額が少なく、その影響が無視できるものは、金額の多い方とします。→準変動費、準固定費 準変動費：売上高や工場の操業度に関係なく一定額が発生すると同時に売上高や工場の操業度に応じて連動して増減する費用です。（前述の水道光熱費や燃料費がこれに該当します） 準固定費：ある売上高や工場の操業度の範囲においては固定的に発生するが、その売上高や工場の操業度を超えると飛躍的に増加する費用です。（○○円までは受付1人でいいが、□□円を超えるともう1人必要になるお店の人件費や集配費がこれに該当します） インショップで売上最低保証があるときは、売上最低保証×歩合を固定費とします。 賃借料は、レジ、備品、看板などのリース料です。 減価償却費は、お店の造作、内装、備品及び看板を購入したときの資産償却費です。 雑費は、玄関マット、モップ、貸し鉢などの費用です。 支払利息は、保証金の借入、その他の資産購入の割賦代金にかかる利息です。 販売管理費配賦は、本社（事務所）経費、ルート経費を各店に配分したものです。  損益分岐店売上高がわかると何が見えてくるの？ 会社やお店の損益分岐点売上高を知ることは、『目標の利益を上げるにはどれだけの売上が必要か』、『どの経費をどれだけ節減するか』、『採算の度合いはどうか』などを測るうえでとても大切です。 損益分岐点売上高（限界利益）を知ることでできること 会社の経営体質がわかります。 売上高がわかると利益の予測ができます。 利益を達成できる売上高、費用（材料の仕入れ、外注など）の限界がわかります。 費用が増えた分を吸収できる売上高（点数の増加や平均単価の引き上げ率）がわかります。 利益を達成するためには、どの衣料品あるいはどんな付加価値を重点的に販売（受付）すればよいかわかります。 お店の閉店（退店）を判断する資料になります。 損益分岐点売上高の計算例はありませんか？ 右の数値は実際にクリーニング業を営まれている会社 （Ｅ社提供）からの提供です。　　 　　　　 　（単位：千円） Ａ　店 Ｂ　店 年間売上高 25,977,678 12,481,937 地代家賃（固定） 69,574×12 0 会社の年商 120,000,000円 地代家賃（変動） 2％ 20％ Ａ店店舗造作初期費用 2,000,000円 保証金借入 6,000,000 0 Ａ店店舗備品初期費用 1,000,000円 店舗造作償却費 209,070 0 Ｂ店は売上仕入部門で入店している店舗で、初期費用はかかっていません。 店舗備品償却費 147,939 0 製造原価率 35％ 35％ Ａ?Ｂ店の年間経費（単位：千円） 科　　　　　目 Ａ　　店 Ｂ　　店 固定費 変動費 固定費 変動費 人件費 4,800 7.5％＋3％