平 户 领 地 方 八 奇 胜 （平户八景）.PDF

ひら ど りょう じ かた はっ き しょう 平戸領地方八竒勝（平戸八景） たか いわ いし ばし 髙巌 石橋 江迎川沿いにある高さ約30mの砂岩岩壁。 全長約30m、幅約5m、高さ約20mの2本 以前はこの真下を平戸往還が通っていま の天然石橋。平戸領地方八竒勝図では、 した。風化や振動等で崩落している箇所 橋の上を歩く人の様子が描かれています があり、古松が枯れるなどして平戸領地 が、現在は歩くことはできません。周辺 方八竒勝図に描かれた画と少し異なりま は国指定天然記念物のシダ植物群落が植 すが、青空に屏風のように巨岩が峻立し 生し、多くの種類の暖地性シダ類が植生 ている風景は今も変わらず残っています。 する場所として有名です。秋には紅葉の （江迎町小川内） 名所としてもにぎわいます。（御橋観音寺境内：吉井町直谷） せん りゅうすい だい ひ かん 潜龍水 名勝（国指定） 大悲観 名勝（国指定） 江迎川上流にある滝。文政12（1829）年、 大悲観公園にある高さ20mの砂岩の浸食 平戸藩主・松浦熈は領内を巡視した際、 残丘。「大悲観」の文字は文政13（1830）年に この滝の素晴らしさに心を打たれ「潜龍ノ 松浦熈公が揮毫し、それを拡大して掘り 滝」と命名しました。高さ約20m、滝つぼ 込ませたもの。「平戸藩史考」には、熈公が の深さは約6m、男滝と女滝の二つに分か 岩の向こうの景色を夢に見て、それを確 れています。滝つぼから下流へ流れる二 かめようと岩に登ろうとしたが、家臣た 筋の滝は、それぞれ「布引（ぬのびき）の滝」 ちに制止されたため代わりに文字を彫ら 「不動の滝」と名前がついています。熈公はこの滝を神として祀り、荘厳な せたというエピソードが記されています。（小佐々町小坂） 神域として上流で不浄のものを洗うことを禁じました。また、滝の入口の 先に建てられている鳥居から滝つぼまでは、神域として土足で立ち入るこ いわ や ぐう とを禁じていました。潜龍水までの道のりに残されている石額や銘文は、 巌屋宮 書に秀でた熈公の自署であるとされています。中でも「龍門」の文字は傑作 の出来であると伝えられています。（江迎町田ノ元、吉井町草ノ尾） 神殿は天然の砂岩製洞窟になっており、 間口約5.4m、奥行約10.8m。御座所の真 め がね いし 下は深い井戸になっており、その清水は 眼鏡石 境内の水神社に湧き、現在も他県から霊 水を求める参拝者があります。以前は天 眼鏡に似た形状から命名された奇岩。高 然洞窟の神体・神殿が露頭していました さ約10m、幅約20m、厚さ約6mの砂岩の