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関節リウマチ ご自由にお持 ち帰りください バックナンバーはホームページでご覧になれます 関節リウマチと聞くと、高齢の方の病気という イメージをもたれやすいですが、実際は 30 ～50 副院長兼内科部長 代の働き盛りの年代に発症しやすい病気です。 千布 裕 ち ふ ゆたか 今回は、関節リウマチを専門に診療している 日本内科学会総合内科専門医 千布先生より、関節リウマチと喫煙 ・肥満・お酒 日本リウマチ学会専門医 の関係についてお話してもらいます。 日本消化器病学会専門医 関節リウマチはこんな病気 関節リウマチは全身の関節に炎症がおきる疾患で（図１）、現在日本には７０万人以上 の患者さんがいると言われています。３０～５０代の方に発症しやすく、患者数は男性よ り女性の方が３～４倍多く高齢化とともに増えています。 関節リウマチの主な症状は、関節の腫れ・痛み・変形、皮下結節（肘や膝の辺りにでき るコブのようなしこり）、だるさ・疲労感、貧血、肺の炎症、眼の炎症、血管の炎症など さまざまです（図２）。 図１ 関節リウマチが発症しやすい場所 図２ 関節リウマチの主な症状 手の指 首 近位指節間関節 肩 中手指節間関節 ひじ 股関節 貧 血 眼の炎症 だるさ・疲労感 手首 ひざ 足首 足の指 関節の腫れ・痛み・変形 肺の炎症 発症のしくみ 現在考えられている関節リウマチの発症のひとつのメカニズムは、まず肺で喫煙や感染 などが原因で炎症が起こり、肺の組織が障害を受けます。その結果、組織のフィブリンと 呼ばれるタンパク質がシトルリン化（障害を受けたタンパク質を排除するための生理的な 反応のひとつ）されます。この蛋白に対して自己抗体が産生されます。これらは抗シトル アクパ リン化ぺプチド抗体（ACPA）と言われ、抗CCP 抗体が代表です。慢性的に炎症が気道に存 在していて、この抗体が産生されている状況で機械的ストレスなどで関節組織が障害を受 け、関節内組織にシトルリン化される部分ができると、その部分に抗CCP 抗体が接着しま す。さらにリウマチ因子が付着して慢性の炎症を関節でおこすことで、関節リウマチが発 症します（リウマチ因子は抗体をつくるタンパク質の一部に対する抗体です）。 喫煙 感染 関節 ACPA リウマチ因子 タバコや感染が原因で ACPA が関節に付着し、 炎症が持続し骨が破壊され 肺にACPA がつくられる そこにリウマチ因子が 関節の変形がおこる くっつき炎症がおこる