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(65) 21 講 座 冷凍装 置 の保 守管理 につ い て その1.省エネルギーのための冷凍装置の設計 と保守管理 張 世 梁* 近年,食 品低温流通システム(コ ール ドチ ェン)の急 速な発達 とともに,冷 凍 ・冷蔵設備の需要が増大 してい る。 この冷凍 ・冷蔵設備 を効率 よく,事故 を少 な く保守 管理す るためには,ま ず,そ の心臓部である圧縮機及び その保護機器 を十分に理解 し,保護対策 を検討する必要 がある。 したがって本文では冷凍装置 の概要,圧 縮機 の 保護対策 よ り始め,最 後にはスーパーマーケ ッ トの省 エ ネルギー対策まで言及する予定である。 1.冷凍装置 の概要 図1 冷凍装置の主要構成機器 2.圧縮機 の保護対策 3.圧縮機の保護機器 とその性能 表1 圧縮機の種類 と用途 4. スーパーマーケ ッ トの省 エネルギー対策 1.冷凍装置の概 要 1.1冷凍装置とは 機械的に熱 を取 り除いて低い温度 を作 り出 し,品物 を 冷や した り,凍 らせた り,貯蔵 した りす ることを冷凍 と いい,そ のための装置 を冷凍装置 とい う。 したがって, 冷却(品 温 を凍結点近 くまで下げる),凍結(品 温 を凍 結点以下に下げて凍 らせる),冷蔵(低 温 で貯蔵す る), お よび製氷な どを総称 して冷凍 とい う。冷凍食品の普及 に伴い,品 温は しだいに低下す る傾 向にあるが,食 品業 界で使用 され る冷凍の温度範囲は経済的には15～-40℃ くらいまでである。 1.2冷凍装置の主要構成機器 図1に 示す よ うに,冷凍装置は圧縮機,凝 縮器,受 液 器,膨 脹弁,蒸 発器,お よび これ らを結ぶ連結配管な ど 液器～膨脹弁 を高圧側装置,膨 脹弁 出口～蒸発器 ～圧縮 か らな り,装置の中を冷媒 が圧縮 液化,蒸 発 をくり返 機入 口を低圧側装置 とい う。 しなが ら循環 して低温 を作 り出す。圧縮機 ～凝縮器～受 a)圧縮機:Compressor *(株)I.C.E設計事務所 ・技術士 圧縮機 は,蒸発器 の中で蒸発 し周 囲の物体か ら熱 を吸 22 コール ドチ ェー ン研 究 VOL.3 No.2 1977 (66) 表2 凝 縮 器 の 用 途 お よ び 特 質 収 した低温低圧 の冷媒ガス を吸入 して高温高圧の状態に 圧縮 し,凝縮器へ と送 り出す ものである(表1)。 図2は 高圧多気筒縮機の内部構造 を示す。食品業界で は往復動形 の小型 および高速多気筒形圧縮機が最 も多 く 使用 されてい る。 b)凝縮器:Condenser 圧縮機 で高温高圧 となった冷媒ガス を水や空気で冷却 して常温高圧 の冷媒液 とす る熱交換器で,水 で冷却す る 水冷式,空 気 で冷却す る空冷式,水 と空気 を併用す る蒸 発式 に分 ける。表2は その主な用途お よび特質 を示す。 表中,一般 によく使用 され るのは,模 型シェルチ ューブ 式,蒸 発式,空 冷式な どである。 c)受液器:Liquidreceiver 凝縮器で冷却,液 化 された冷媒液 を一時溜めて,そ こ か ら膨脹弁 を通 って蒸発器へ と送 り込む容器 である。高 圧の冷媒ガスが蒸発器へ入 ることを防 ぐと共に,修理や 長期間停止のために装置中の冷媒 を回収 した りする役 を す る。普通,鋼 板製の横形円筒である。小型,ま たはフ