全水位全速运転ポンプ(第2报) - J-STAGE Journals.PDF

全水位全速運転ポ ンプ(第2報)…(1)453 論〔文 〕 全水位全速運転ポンプ(第2報) 小 西 正 英*古 川 博 彦* 田 村 郁 治*高 橋 益 人* 鈴 木 信 廣* 1.まえが き 最近、雨水排水機場に全水位全速運転ポンプ(先行 待機運転ポンプ)が採用 され るケースが増 えている。 本ポンプはいかなる水位でも全速で運転でき、急激な 雨水の流入 にも迅速に排水 ・対応できる特長を持つ。 前報では、全速で運転 しているポンプに対 し各水位 で どのような運転状態になるのか、水位 を上昇 ・下降 さ せて得 られた挙動の観察結果について紹介 し、低水位 での排水運転はポンプにとって非常に苛酷な運転状態 であること、羽根車入口負圧部に空気 を導入す ること で揚水 を遮断でき、全速運転であっても低水位での渦 吸込運転は回避できること等 を明 らかにした6こ こで はこの得 られた知見をもとに開発 した羽根車入口直前 で気水切替 を行 う全水位全速運転ポンプについて、そ 図1ポ ンプ構造 の構造 ・運転システムを述べるとともに、機能試験 ・ 確証試験で得 られた結果 を紹介する。 3.ポ ンプの運転状態 と運転システム 3-1運 転状態 2.原理 と構造 本ポンプの運転状態は次の3つに分 けられる。 本ポンプの原理は、羽根車入口部の負圧 を利用 して (1)先行待機運転 低水位 では空気 を自吸 させ、真空破壊 を起 こさせるこ 雨水流入 を待 ち、LWL以下の低水位 で気 中運転 し とにより揚水 を遮断し、渦の吸込 を防止するとい う極 ている状態。 めて簡単なものである。そのため、構造は従来のポン (2)排水運転 プと大 きな相違はない。図1に本ポンプの構造を示す。 LWL以上の水位で排水運転 している状態。 従来のポンプ と異なるのは、 (3)揚水遮断運転 ① 羽根車が、空気吸込渦等の発生の恐れのある水 排水運転により水位が低下 した ときで、一旦揚水 を 位(LWL)よ り上位 にあること。 遮断 し次の雨水流人を待 ってい る状態。揚水管内の水 ② 羽根車入口部に空気流人用の気水切替管が接続 は一部羽根車翼端すきま部 より落水 しなが ら、大部分 されていること。 は羽根車の旋回により保持 されている。 である。 これ らの運転状態は気水切替弁の働 きにより、水位 に応 じて的確 に切 り替えられる。 3-2運 転システム *(株)クボタ枚方製造所 原稿受付 日 平成3年2月6日 図2に水位 に応 じたポンプの運転推移状況を示す。 ターボ機械第19巻第8号7 454全 水位全速運転ポ ンプ(第2報)…(2) (A) (B) (C)