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AirSea Battle （エアシーバトル）とは （これらは総て個人的な解釈、意見である。） 平成２２年１２月 航空宇宙作戦研究会（仮称） 語句の意味 Anti-Access(A2) ：戦域や戦場に敵を到達、投入させない行動又はその態様。 Area Denial(AD) : 緊要な区域における敵の占有や自由な活動を阻止する行動又はその態様。 Battle Network ：精密攻撃を支えるC2ISR 等の通信及びデータリンクのネットワーク。 Battle Network Superiority : 味方は自由にBattle Network を活用できるが、敵は活用が制限されて いる状態。 Scouting Battle ：緊要な目標を捜索、発見し、攻撃、破壊する戦闘要領。AirSea Battle では、Scouting Battle が敵、味方の努力及び戦闘の中心となることが予想されている。 Blinding Campaign ：敵がISR 情報を収集、活用できないようにC2 及びセンサー・ネットワーク を破壊、無力化する活動。 First Island Chain : 本来は、冷戦時代に共産勢力を封じ込めておくために西側が確立した戦略概念 であり、九州から南西諸島、台湾、フィリピン、ボルネオに至るラインである。 当初、中国は2010 年までにこのラインを防衛線とし、その内側への敵の空海軍の 進入を阻止する体制を構築しようとしていた。 Second Island Chain : 伊豆諸島から小笠原諸島、グアム、サイパン、パフアニューギニアに至るラ インであり、中国は2020 年までにこのラインから内側に進入する敵を排除する 体制を構築しようとしている。 概説 １ AirSea Battle とは、中国軍（PLA）を主対象に米軍が策定中の新たな軍事教義の名称である。 1980 年代に策定された AirLand Battle が航空及び陸上主体の作戦であったのに対し、AirSea Battle は、航空及び海洋の作戦が基本である。ただし、まだ教義教範等に正式に記載された教義 ではなく、現在米軍が検討中の構想である。 AirSea Battle の主なねらいは、対中国作戦における勝利の獲得であり、中国の封じ込めである。 米軍は、PLA の増強、近代化を大きな脅威と捉えており、このままで推移すれば、ほどなく西 太平洋において米軍はその優位性を喪失するであろうと危惧している。そのPLA の動きで米軍 が特に注目しているのが、将来、米中が武力衝突した場合にその主戦場となる西太平洋の戦域 に米軍を到達、進入させない A2 及び特定の緊要な区域における米軍の自由な活動を不可能に するAD の作戦構想とその具現のための兵器の開発、配備及び訓練等であり、その対抗手段と しての構想 （教義）がAirSea Battle である。 ２ 2010 年2 月にゲーツ国防長官より議会に提出された「Quadrennial Defense Review (QDR)」に、 空軍及び海軍は協力して「new joint air-sea battle concept」を策定中であるとの記述があり、日を 置かずして「Center for Strategic and Budgetary Assessments (CSBA)」から「Why AirSea Battle?」 と題した論文が提出された。その後、5 月なって同じく CSBA から中国の脅威を対象にした 「AirSea Battle : A Point of Departure Operational Concept」のレポートが発表され、AirSea Battle は広く一般の関心を集めるところとなった。さらに、12 月にわが国において 23 年度以降に係 る防衛計画の大綱が閣議決定されると、潜水艦の増強など、明らかにAirSea Battle を考慮した と思われる計画が