佐贺県研究成果情报（作成平成29年2月）果実品.PDF

佐賀県研究成果情報 （作成 平成 29 年 2 月） 果実品質に優れ、果実が大きいイチゴ新品種「佐賀 i5号」 ［要約］イチゴ「佐賀 i5号」は、「あまおとめ」に「紅ほっぺ」を交配して育成した促成 栽培用品種である。果実は光沢の強い鮮赤色で、「さがほのか」より糖度が高く、果皮が 硬く、平均果重が大きい。 佐賀県農業試験研究センター 連絡先 0952-45-2143 野菜花き部・野菜育種研究担当 nougyoushikensenta@pref.saga.lg.jp 部会名 野菜 専門 育種 対象 イチゴ ［背景・ねらい］ 佐賀県が育成した促成栽培用イチゴ品種「さがほのか」は、早生で連続出蕾性があり、果形の 揃いが良く、適度な硬さで日持ち性に優れるなどの栽培し易さから、九州地方を中心に普及し、 全国 2 位の栽培面積を占める。しかし、果皮が鮮紅色で、糖度が時期によりやや低く、果数が少 なく早期収量が少ないことから、それらを改善した新品種が望まれている。そこで、果皮の色が 濃く、食味が良好で、多収量を育種目標に、ポスト「さがほのか」となる新品種を育成する。 ［成果の内容］ １．「佐賀 i5号」は、2009年に愛媛県育成「あまおとめ」を種子親に、静岡県育成「紅ほっぺ」 を花粉親として交配し、得られた実生から選抜した一季成り性の促成栽培品種である。 ２．草姿は立性で草勢は強く（表1）、草丈は「さがほのか」より高い。葉色は濃緑で、光沢は強 い。芽数は「さがほのか」よりやや多い（データ省略）。 ３．花芽分化は「さがほのか」よりやや遅く（データ省略）、収穫開始は 12月上旬である。腋花 房の連続性出蕾性は「さがほのか」より劣る（表 2）。 ４．果実は「さがほのか」よりやや大きく、丸みを帯びた円錐形である。果皮は光沢のある鮮赤 色で、果肉は淡赤色である。糖度は 9％を超え、適度な酸度があり、食味が優れる。果実硬 度は「さがほのか」より硬い（図 1・2、表 1・2）。 ５．頂花房の花数は20 花前後で（データ省略）、商品果数は「さがほのか」より少ない。1 果重 は「さがほのか」より重く、年内収量および総収量は「さがほのか」よりやや多い（表 2）。 ［成果の活用面・留意点］ １．炭疽病抵抗性はないので、無病親株の確保、雨よけ育苗および薬剤防除を徹底する。 ２．「佐賀 i5号」は、育苗中の体内窒素の極端な低下により、芯止まり株や腋花房の中休みを助 長するので、適正な窒素レベルを維持する。 ３．品種登録出願公表中である（2016年 5月 31日第 30804号）。 ［具体的的なデータ］］ 図 1 「佐佐賀i5号」の外観 表1　「佐賀賀i5号」の形質おおよび特性z 果実の 果果実の 草姿姿 花花の数 果実のの形 果皮の色 果肉の色 大きさ 成成熟期 佐賀賀i5号 立性性 大 中 円錐形形 赤 淡赤 中 さがほほのか やや立立性 やや大 ややや少 円錐形形 鮮紅 白 早 z 農林林水産省の植物種類類別審査基準によよる 表2　「佐賀i55号」の収量およよび果実特性z 収穫開始 日（月/日） y 商品 平均 x 果