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前期中華民国 ■ 資料集 ■ 【北洋軍閥（1912-1928）】 全 6 巻 6 冊，中国史学会・中国社会科学院近代史研究所編，1990 年，武 漢出版社。主編は第 1 巻と第 2 巻が章伯鋒と李宗一，第 3 巻以降は章伯鋒 で，別に各巻ごとに編者が配されている。1912 年から 28 年の北京政府の活 動をメインに，档案・未刊稿本・政府公報・回想録・文集・新聞雑誌類と社 会科学院近代史研究所所蔵の史料が幅広く収録された史料集となっている。 内容は，第 1 巻「北洋軍閥与北京政府」（聞黎明・李学通・王善中編，717 頁），第 2 巻「袁世凱的独裁統治」（聞黎明・李学通編，1400 頁），第 3 巻「皖 系軍閥与日本」（章伯鋒・孫彩霞編，1323 頁），第 4 巻「直系軍閥的興衰」 （王善中・劉保康編，1034 頁），第 5 巻「北洋軍閥的覆滅」（孫彩霞・李学通 編，896 頁），第 6 巻「北洋軍閥大事要録，北洋軍政人物簡志，北洋軍閥時期 図書目録」（聞黎明・孫彩霞・李学通・王善中・劉建光編，728 頁）。［金子］ 【天津歴史博物館蔵北洋軍閥史料】 北洋軍閥史料編輯委員会の編（主任は謝国祥）で全 4 巻 33 冊に及ぶ。天 津市歴史博物館が所蔵する中華民国初期の 3 人の大総統袁世凱・黎元洪・徐 世昌と国会の衆議院議長を務めた呉景濂の私的文書，書簡・電報類，公文書 等を収録した史料集。なお，発行年は最初に出た袁世凱巻（全 2 冊）が 1992 年，続く黎元洪巻（全 14 冊），徐世昌巻（全 9 冊），呉景濂巻（全 8 冊）は ともに 1996 年の発行である。この史料集の価値は，影印すなわち原本の写 真印刷によって文書が収録されている点にある。また，収録文書は民国期だ けでなく清末のものも含まれる。 16 袁世凱巻が収めるのは家書，朋僚函電，公牘電文，批示手書，法規類， 黎元洪巻は国務院会議記録，外交部・陸軍部・参謀部・財政部等の文書，黎 の文稿，朋僚函電，顧問・諮議の意見書などを収める。徐世昌巻には多様な 記録・報告・意見書・覚書類や題奏・文稿，朋僚函電が，また呉景濂巻には 議会関連の法規と文書，朋僚函電等が収録されている。［金子］ 【北洋時期国会会議記録彙編】 全 16 冊からなる《民国文献資料叢編》シリーズの一つ。李強選編で 2011 年に国家図書館出版社より刊行された。この史料集も影印すなわち写真印刷 によって北京政府期の国会関連文書が収録されている。 北京政府期の国会関連文書は，すでに影印版で出版された『政府公報』に おいて本史料集収録の「参議院会議速記録」を見ることができる。また，北 京大学出版社から出た張国福選編『参議院議事録／参議院議決案彙編』（1989 年）にも，やはり本史料集収録の民国成立期の南京での「参議院議事録」や 「参議院議決彙編」が載っている。 しかし，正式国会成立後の衆参両院から袁世凱の新約法下における参政院， 安福国会（新国会），広東の非常国会，1920 年代前半の衆参両院に関する速 記録・議決案彙編，国会に関する法令・規則類などを網羅的に収めている点 で，本史料集の価値には非常に高いものがある。憲政史・議会史の研究を志 す者には必携の史料集になるだろう。［金子］ 【奉系軍閥密電など】 遼寧省档案館編『奉系軍閥密電』中華書局（中華民国史資料叢稿 電稿）， 5 冊，1984-1987 年。奉天派・東北関連の電文（1911～32 年）を時期・問題 別に分類収録する。内戦，内政関連が大多数だが，対外関係に関わる資料も 含まれる。構成は，第 1 冊（1911-16），第 2 冊（1917-25），第 3 冊（1926）， 17 第 4 冊（1927-32），第 5 ・6 冊合集（1930）。なお，第 4 冊には「“呉佩孚工 作”档案資料」（中華民国史資料叢稿 専題）も合訂されている。 遼寧省档案館編『奉系軍閥密信』中華書局，中華民国史資料叢稿，1985 年。 奉天派の智将楊宇霆（1886-1929）の往復書函 289 件（1917～28 年）に標点 と注を付して収録。 ママ 遼寧省档案館編『奉係軍閥密信選輯』中国档案出版社，1993 年。楊宇霆を 中心とする奉天派要人の往復書函406 件（190