山（平泽 谕∫钵 - 福岛大学リポジトリ.PDF

三春付近における水田分布について 7 三春付近における水田分布について 大 澤 貞一郎 　　　　　　　　　　　　　　　　もう　ぎ 春付近の侵蝕面は，高度310～330mの舞木上位面， 〔序〕 　　　　　　　　　　　　　　　　　　くまかみ 360～380mの三春面，および400～420mの熊耳面 　土地利用の諸相を，土地自然からの影響という からな虻），全体として東から西に低下してお1）， 側面でとらえることは，土地利用を地理学的に研 それぞれの下位面を基準面としてそれらの面を刻 究する場合の1つの課題であるlll みV字谷をなす主谷と，各面を20m程刻む小支谷 　わが国における水田分布は地形との関係が極め の2種類の谷が，樹枝状に分布している． て密接であり，とりわけ，山地・丘陵地・台地等 　この地域はすべて阿武隈川の流域に属し，第1 を刻む谷底は，例外を除くと，ほとんどが水田と 図に示すように，南部に大滝根川，中央に桜川が なっている．特に阿武隈山地・中国山地・三河高 南西方向へ流下し，北部は白岩川が西に，移川の 原・能登丘陵等では，水田の分布状態と谷の分布 支流が北に流れている．各河川とその支流ともそ 形態とが極めて類似しており，また地域的に特徴 れら相互の分水界は低い所が多く，従って交通路 がある〔子1 は各方面へ通じ網状構造をなしており，中心部に 　小論では，阿武隈山地西部丘陵地域の一部であ にある三春市街地はそれらの集中点の1つである・ る三春付近を例にとって，水田の分布形態を谷の 分布形態と関連させて検討した． 　この地域の水田分布と地形との関係については， 〔第1図〕　対象地域 筆者が先に郡山盆地との比較という観点から，5 1諺融くノぐ＼ハー髭」．やγ 万分の1地形図による計測結果を用いて，量的な 　　　　艀．　、　　　　（＼ 分布関係を検討しだ3｝が，最近この地域の2．5万分 　　　　　　／ノ七草木兜》 の1地形図が市販されるようになり，また三春町 郡　　　C　　　　　　　k　／ 域については1万分の1地図が調整されたので， 　　　　　1＿　御祭　　（弓＼＼ それらの地図の読図と，空中写真の判読および部 　　　高柴ノニ　　2要訣拠 分的な現地調査とを合せて，三春付近の約67㎞キ7） 山（平沢　諭∫鉢・ 地域について，水田と谷床の分布図を作り，両者 を比較して考察した． 市／昊・擁　　　　　〉 　ただし，今回は資料が不充分なので予察の段階 A　∠春　　　　　／引 ’． ／　　｛　　　　っ　　　　三春　　　　　　　芹が沢ノ にとどめ，主として記載に重点をおいた． 　　、．．5　　　柴内　ノ町 　なお対象地域は，三春町の市街地を中心とし， 　　　　　　　　　　　　　　　　〆 　山田　　　　　　　　　　　　　　　　込木　　’ 　　　　　　　　　　　　　　　　し 　桜　　　　　　　貝