潮害防备保安林におけるクロマツ天然下种本数管理试验（pdf：1698kb）.pdf

課題 40 潮害防備保安林におけるクロマツ天然下種本数管理試験 （平成 25 年度 繰上完了報告） 九州森林管理局 森林技術 ・支援センター １ 技術開発の目的 宮崎市の一ツ葉海岸の国有林では、松くい虫被害跡地が点在し、そこに天然下種によ り クロマツが発生している。このクロマツの密度管理等を行い、防潮効果の高い保安林 へ誘導する施業方法の確立が必要とされている。 このことから、平成 12年度に 「天然下種により生育しているクロマツの密度管理及び 環境管理を行い防潮効果の高い保安林へ誘導する」ことを目的とした技術開発に取り組 むこととなった。 また、クロマツの成長に併せて、平成 16年度からは 「海岸保安林としての防潮効果を 高めるために、早期に個体形状 （樹幹が太く、下枝が発達）を健全化させる」、「個体形 状を健全化させるための効率的 ・効果的な保育作業を確立する」とい う二つの目的を追 加 （変更計画）して、より防潮効果の高い保安林への誘導を目指して技術開発を進める こととなった。 ２ 試験の経過 (1) 試験地の場所 宮崎森林管理署 宮崎森林事務所管内 前浜国有林94は3林小班 (2) 試験地概況 ア 面積 0.21 ｈａ イ 林況 クロマツ林 (3) 試験期間 平成12年度～平成26年度 （平成25年度繰上完了） (4) 試験方法 （表－1参照） ア 環境管理 （当初計画） 環境の違いによる成長量等を比較することを目的に、平成 12年 5月に0.01haのプ ロットを8箇所設定し、プロット①③⑤⑦ではニセアカシアの除去を行い、②④⑥⑧ は無処理とした。 ニセアカシアの除去とはニセアカシアの刈 り払い及び落葉、落枝、苔等を除去する ことによって根系を活性化することを目的として実施する。 イ 密度管理 （当初計画） 8プロットを表－1のとおり4つのグループに区分し、密度管理の違いによる成長量等を比較 することこととした。密度は10,000 本/ｈa、15,000 本/ｈa、20,000 本/ｈa、本数調整な しの4 区分とした。 表－１ プロット別計画 当初計画 変更計画 ① 10,000 本/ha に本数調整＋ニセアカシア処理 ①現状維持で継続 ② 10,000 本/ha に本数調整＋ニセアカシア無処理 ②現状維持で継続 ③ 15,000 本/ha に本数調整＋ニセアカシア処理 ③ 1,000 本/ha 一括調整(H 17.4 本数調整を実施) ④ 15,000 本/ha に本数調整＋ニセアカシア無処理 ④ 1,000 本/ha 段階調整(H 17.4 、H20.5 本数調整を実施) ⑤ 20,000 本/ha に本数調整＋ニセアカシア処理 ⑤ 2,500 本/ha 一括調整(H 17.4 本数調整を実施) ⑥ 20,000 本/ha に本数調整＋ニセアカシア無処理 ⑥ 5,000 本/ha 一括調整(H 17.4 本数調整を実施) ⑦現状維持(無本数調整＋ニセアカシア処理) ⑦現状維持で継続 ⑧現状維持(無本数調整＋ニセアカシア無処理) ⑧現状維持で継続 ウ 成長量調査 各プロット別に樹高、根元直径 （胸高 直径）、枝張を測定した。 (5) 変更計画 （平成 16年度） 海岸保安林としての防潮効果を高めるこ とを目的として、早期に個体形状 （樹幹が 太く、下枝が発達）を健全化し、樹勢の旺 盛な林分とするため、強度の本数調整を行 う計画に変更した。（図－ 1参照） 図－1 プロット配置図 （計画の変更後） ３ 結果 (1) 当初計画による試験結果 （平成 12年度～ 15年度） ア 上長成長の推移 プロット別平均樹高の推移は、図－