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尺度化について 狩野 裕 大阪大学人間科学部 安部さんのまとめから 十分な信頼性を確保することは、尺度作成において非常に重要である 被験者の回答への負担を考慮することは 研究者としての責務である! 項目数を少なく、しかも十分な信頼性と 妥当性を有した尺度を作成するためには? いくつかの概念 信頼性 項目の中に含まれる真の値の割合 真の値のばらつき/項目のばらつき V(X)=V(x)+V(e) α係数 信頼性の簡便推定値 尺度の(内容的)妥当性 測定すべき側面を全て聞いているか バラエティのある項目になっているか 適合度 因子分析モデルがデータと適合しているかどうか 尺度の使い方 構成概念の「ものさし」を作成し,合計得点で被験者を「ものさし」上に布置する 信頼性と内容的妥当性 共分散構造分析(SEM)の指標として使う 補足:SEMの指標 指標の数 4以上が薦められる 2,3でも可能 信頼性 高い方がよい 低くても「誤差を懐柔して」分析可能 1つの因子に含まれる項目数-1 理論的には項目数は問題ではない 信頼性?内容的妥当性を達するよう項目選択 項目数はその結果 実行上は少ない方がよい 誤差(回答の揺れ)を取り除くことが主目的の場合は項目数=2で十分 (ただしSEMを使うことが前提) 1つの因子に含まれる項目数-2 信頼性と内容的妥当性の折衷 項目が少ない=>両妥当性とも低い 信頼性を重視して項目を増やす      =>内容的妥当性が低くなる 内容的妥当性を重視して項目を増やす      =>信頼性が低くなる 内容的妥当性を保ったままで信頼性が 最も高くなるように項目選択する 内容的妥当性の数理的測度はない 冗長性の検討 r0.8? データの再現性はどのくらい? 反復測定(一週間おいて2回測定) 冗長性の検討 r0.8? 態度?意見?印象などを問う質問紙では,同一項目間の相関係数は0.8程度である ことが多い 0.8以上の項目があれば1つの項目を外すというのはひとつの見識 異なった項目間の相関が0.8以上であったとしても,同一項目とみなしてもよいかの吟味は必要 α係数の値-1 信頼性は(他の条件が同じならば) 高い方がよい 信頼性が高い(すぎる?)尺度では 内容的妥当性がとぼしい 同じことを聞いている項目を削ることが可能    ということが多い このことから「適度な大きさのα係数」という 基準がでてくるのだが... α係数の値-2 信頼性が低いと尺度間の相関や回帰係数などに偏りが生じる どの程度の偏りを認めるか? α係数の値-3 信頼性とα係数は異なるが 一般には良い近似である 上記が正しくあるためには,因子モデルの 適合度が高くないといけない 適合度の吟味はα係数を使うための 必要条件 適合度が悪いときは α係数の値が信頼できない 尺度の1次元性が確立できていない 「恩恵の知覚」尺度:n=653 真の信頼性係数について 誤差相関 Summary and recommendation 15変数のモデルは1因子モデルの適合度が 悪いため,α係数の値(0.90)は信頼できない 実際,適合度の良い「誤差相関」1因子モデルによると信頼性は0.86 誤差相関があること(適合度が悪い)は尺度の 1次元性に反するのでいくつかの項目を落とす 不適切な3 or 4 項目を落とすことで,適合度の よいモデルが構成できる 1次元性の確保 信頼性=0.86...15変数での信頼性を確保 まとめ α係数の大きさは,その後の解析で生じる バイアスをどの程度許容するかに対応する α係数が信頼できるためには1因子モデルの適合度が高いことが必要 SEFAは適合度によって変数を選択する プログラム http://koko15.hus.osaka-u.ac.jp/~harada/factor/ 内容的妥当性をにらみながら,適合度と信頼性が高くなるよう変数選択する 補足:適合度の評価方法 中小標本のとき カイ2乗値(有意確率)をみて,モデルが棄却されないことを確認 大標本のとき 適合度指標をみる GFI,AGFI,CFI...「0.90以上」は最低条件.0.95前後以上が望ましい RMSEA...0.05以下が望ましい 補足:尺度とSEMの指標 多母集団の同時分析 狩野 裕 大阪大学人間科学部 検証的因子分析のメリット 多母集団の同時分析 因子平均の統計的比較 因子に関する種々の仮説の統計的検討 因子回転が不必要 探索的因子分析不可能でも,検証的因子分析が可能な場合がある 多母集団の同時分析のメリット 母集団間の違いを統計的に検討できる 因子構造の違い 因子平均の違い ある変数に欠測が集中したデータの分析 個別分析できないほど小さなデータの分析 その他 「山田?豊

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