江户川区生活习惯アクションプラン–行动指针-健康江户川21.pdf

江戸川区生活習慣アクションプラン–行動指針- （健康江戸川２１） はじめに あなたのまちは、健康なまちでしょうか。健康なまちとは、単に病気の人が 少ないというだけではありません。住んでいる人々が質の高い社会生活を営み、 誰でもが安心して暮らせるまちを言います。 江戸川区は、これまでも計画的に 区民の健康づくりに取り組み、様々な施策を行ってきましたが、さらにこれら の取り組みを充実させるため、江戸川区の生活習慣アクションプランを策定し ました。 まず計画づくりにあたり、私たちの地域の現状を整理しました。その結果、 生活習慣病の原因には、食生活や運動、喫煙、飲酒、ストレスなど、日々の暮 らしのあり方が直接影響を及ぼすことが明らかになってきました。これらの結 果をもとに、区民のみなさんが健康で長生きするためには、どのような生活習 慣を身につけて行動すればよいのか、また健康づくりにあたり、地域の人々や 関係機関がどのような協働をしていくことが望ましいかを示したものです。 健康づくりには、区民一人ひとりが健康に関する正しい知識を持ち、日々の 生活習慣を見直すとともに、区と区民とが地域の健康づくりにも積極的に取り 組むことが必要です。区ではこの計画をもとに区民健康づくり運動を展開して いきますので、みなさんも一緒に自分の生活習慣を見直してみましょう。 計画策定の背景 日本は平均寿命が延び、世界有数の長寿国となっていますが、それと同時に 高齢化率も伸び、急速に高齢社会へと進んでいます。平成15年の発表では、わ が国の男性は78.36歳、女性は85.33歳と平均寿命が伸びており、女性は世界 第1位、男性は世界第3位でした。しかし、社会環境、生活習慣の急速な変化 が生活習慣病（注1）を増加させ、その発症率には地域差がみられます。生涯 を通じて「心身ともに健康でいきいきと幸せに暮らす」ことは、すべての区民 の願いです。生涯を健康に過ごせる期間（健康寿命：注2）を延ばすことは、 個人の問題だけではありません。地域や家庭・学校・職場・保健・医療・福祉 の関係機関などが連携を図りながら総合的な健康づくり運動を展開することが 求められています。このような運動は、認知症（痴呆）や寝たきりなど介護を 必要とする方の増加を抑えます。 1 （注1）生活習慣病：食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣がそ の発症、進行に大きく関与する疾病群をいいます（代表的なものは肥 満、高血圧、糖尿病、高脂血症など）。なお、老化などが原因になる場 合もあります。 （注2）健康寿命：痴呆や寝たきり等にならない状態で、元気で活動的に生活 できる期間。 地域の健康づくりと疾病予防施策 疾病予防には2つの施策があることはよく知られています。病気を起こす危 りは、1次予防に重点をおきます。すなわち地域の集団に対して疾病の発症を がら進めることになります。厚生労働省の『健康日本21』における試算によれ ば、ある患者さんの血圧が2mmHg低下してもそれだけでは何も変わりませんが、 減塩などにより地域集団の収縮期血圧が平均2mmHg低下すると、脳卒中は約6％ も低下すると期待されます。 その結果、脳卒中に関しては全国で約9,000人の 死亡が予防されます。また、同時に約2万人の患者が減少することになり、寝 たきりや要介護者数がそれだけ減少することになります。このように、1次予 防に重点をおいた新しい施策では、皆様に地域の状況をお知らせしながら進め ることになります。 アクションプランのイメージ図 みんなで力を合わせて大きな健康のかぶを育てよう 健康 2 計画策定の動向 （１）世界の動き 健康の定義については、昭和21 年にWHO （世界保健機関）が決めたものが よく知られています。健康とは単に病気でない、虚弱でないというのみならず、 身体的、精神的そして社会的に良好な状態を指します。その後、「健康とは毎日 の生活の資源である」という積極的な健康観も生まれてきました。また、1980 年代には、WHO のオタワ憲章が提唱されました。これにより、個人の生活習 慣の改善だけではなく、生活習慣や健康等に影響している環境の整備を