第二章　稲作文化の特质.pptVIP

第二章　稲作文化の特質 一、稲作文化について １．稲作文化の上陸 　　　一万年前に、日本は旧石器時代から新石器時代に入り、またそれは縄文文化とも呼ばれている。縄文文化の時期、日本列島では本格的な農業の行われた形跡がなく、縄文の遺跡から当時の人々が、狩猟、採集を主とした経済形式で生活が行われていたことが分かる。日本列島が、縄文文化の原始氏族社会に置かれた時、中国は、奴隷制社会から封建制社会に転換しようとする時期であった。中国は、夏、商、西周、東周、春秋、戦国、秦などの時代を経て、強大な漢が興った。この時期の中国文化はすでに高いレベルに達しており、農業も盛んに行われていた。 紀元前３－２世紀前後に、日本社会は新しい時期に入った。先進の大陸文明は、朝鮮半島を通じて日本列島に伝わり、日本で高い文明の発生に欠かせない農耕文化が始めて表れた。同時に、日本は石器時代から鉄器時代に入り、日本文化史において画期的な意義をもたらした。日本に初めて金属器の使用と水田耕作を主とする農業技術とが伝えられることで、米作りに基礎を置く農耕社会が生まれた。 ２．稲作文化の起源 従来、稲作の起源は植物相の豊富な中国雲南省ではないかといわれてきたが、最近の考古学的調査により雲南省の稲作遺跡は4,400年前以上に遡れないことが明らかになった。 ところが、中流域右岸にある江西省や湖南省で1万年以上前に遡る稲作が続々と発見されており、古いものは1万2000年前に遡る。これらは焼畑による陸稲栽培と考えられている。 また、1980年代に揚子江下流右岸の浙江省の河姆渡（かぼと）村から約7000?6500年前の水田耕作遺物（水田遺構は発見されていない）が発見されており、稲の水田耕作は揚子江中?下流に起源するとする説が有力である。 なお最古の水田遺構は馬家浜文化の中期にあたる約6000年前の揚子江下流左岸の江蘇省呉県の草鞋山遺跡で、見つかっている。 ３．日本への伝来 稲の伝来に関して、以下の説が主なものとして存在する： １．揚子江下流域原産米が山東半島を経て、朝鮮半島南部を経由して九州北部に伝来。 ２．揚子江下流域から直接九州北部に伝来。 稲作文化圏の特質 生産と生活の歴史伝統から見ると、日本は、農耕文化圏に属し、遊牧文化圏と大きな差異を示している。 農耕文化圏は、世界においてその分布が広く、アジア、アフリカ、ヨーロッパ大陸を含んでいるが、それをまた麦類栽培圏と稲作栽培圏とに分けることができる。ヨーロッパ、中国の北部及び朝鮮半島の北部が大体麦類文化圏に属しているが、中国の南部、朝鮮半島の南部、日本、南アジアと東南アジアは、気候が温暖多湿で稲作文化圏に属している。 中国は日本と同じく農耕地域に属しているが、北方の黄河地域の麦類栽培圏と南方の揚子江、珠江地域の稲作栽培圏とに分けられている。しかし、中国は、また同時に広域的な遊牧文化圏を持っている。モンゴル地域、西部地域、チベット地域などがこれに属していて、長い歴史の発展の中で、民族大移動、民族大融合が起こり、中国の農耕文化の中にも遊牧文化の影響を与えるようになった。 中国と同じく欧州も、農耕地域に属しているが、牧畜業が発達し、長い牧畜の歴史を持っていて、牧畜に対する依存性が中国よりも強い。他にアラブ人、インド人なども大体長い遊牧の歴史があった。遊牧文化とほとんど無縁の日本文化は、強い稲作文化の特質を現しているといえるであろう。 結び 農耕文化の発生は、人類文化史において巨大な進歩であった。稲作文化の日本列島への上陸は、日本文化の発展に大きな影響と変化をもたらした。日本の社会は、縄文時代から弥生時代に移行した。この変化は、外来文化特に中国文化の刺激の下で実現されたものであった。中国の先進文化の一つである稲作文化は、渡来人によって西日本の各地に伝わり、徐々に日本列島の東北地方の一部と東日本に広く普及した。農業の発展と鉄器道具の使用によって、生産力が大きく発展した。 稲作と行事 お田植え神事（6月１４日に大阪市の住吉大社で行われる） 　　　神功皇后が田んぼを設け、御田を作らせたのが始まりだといわれています。母なる大地に植付される苗には、強力な穀霊が宿るものとして考えられていました。田植えに際して音楽を奏で、歌をうたい踊りや舞を演じるのは、田や植付する苗に宿る穀物の力を増やすためです。穀物が豊かに育ち、稲穂が十分に実る秋を迎えるための儀式として、今でもおごそかに行なわれています。 二、稲作文化の影響 集団主義の形成 親植物性 繊細性 勤労性 自然への順応と多神論 集団主義の形成 稲作文化は、日本人の集団主義の形成に大きな影響を与えた。日本は、稲作文化圏に属していて、歴代の日本人は高温多湿な環境の中で共同作業の方式で稲作を栽培して