Ca3PO4-大阪産业大学.PDF

Ca3(PO4)２焼結体及び天然鉱物種の熱蛍光＊ ＴＨＥＲＭＯＬＵＭＩＮＥＳＣＥＮＣＥＩＮＳＩＮＴＥＲＥＤ Ｃａ3(PO4)２ＡＮＤＳＯＭＥＭＩＮＥＲＡＬＳ 福田和悟’） ＹａｓｕｎｏｒｉＦｕｋｕｄａ Thermoluminescence（TL）inMicroclineandWhitlockite（β‐Ｃａ３(PO4)2)havebeenin vestigatedForheatingｒａｔｅ２０℃／ｍin，ｔｈｅＴＬｇｌｏｗｐｅａｋｉｎｔｈｅｎａｔｕｒａｌａｐｐｅａrsatabout 270℃Ontheotherhand,ｔｈｅＴＬｇｌｏｗｐｅａｋｓｉｎＸｉｒｒａｄｉａｔｅｄｓａｍpelarefoundatthetempera‐ tureregion80-200℃，ａｎｄｔｈｅＴＬｇｌｏｗｐｅａｋｓａｒｅｎｏｔｆｏｕｎｄａｔthetemperatureregionofnatu‐ ralMicroclinｅ・ Ｔｈｅｅｍｉｓｓｉｏｎｂａｎｄａｔａｂｏｕｔ４００ｎｍｍａｙｂｅｄｕｅｔｏｔｈｅＡｌ－Ｏ－Ａｌｃｅｎｔｅｒ，ａｎｄｔｈｅｅｍｉｓｓｉｏｎ ｂａｎｄａｔ２７５ｎｍｍａｙｂｅｒｅｌａｔｅｄｔｏＰｂ２＋ions TheTLemissionspectraforCa3(PO4)２ｄｏｐｅｄｗｉｔｈＳｍ２０３ｉｓｐｏｓｓｉｂｌｙｄｕｅｔｏｔherecom‐ binationreaction． Ｓｍ2+＋hole→Ｓｍ３÷*→Ｓｍ3千＋ｈ〃 １．緒言 自然物の熱蛍光（TL）の原因が宇宙線や自然放射能にあるため、年代測定への応用が試 みられている｡(1)~(3)長石は地殻の体積の60％以上を占め、比較的高いＴＬ感度を有する造岩 鉱物であるため、長石による年代測定は非常に興味のあるものである。一方、自然界におい て、ウイットロツクカイトとして存在するβ￣Ｃａ3(PO4)２は、骨や歯の主成分であるために 熱蛍光線量計測素子（TLD）として興味ある物質である。Ｃａ3(PO4)２には、２つの結晶状態、 すなわち菱面体晶系結晶および単斜晶系結晶（αとβ相）があり、α相はβ相を1180℃にお いて加熱することによって得られる。Ｃａ3(PO4)２は、CeO2等の不純物を微量添加すること によって、そのＴＬ強度は非常に強くなる｡(ｲ） 本研究は、微量の不純物を添加したＣａ3(PO4)２焼結体および自然物のマイクロクリン（微 斜長石）のＴＬ特性を明らかにすることを目的として行われた。 ＊平成４年５月原稿受理 l）大阪産業大学教養部 １ ２．実験方法 ㈱ナカライテスクより購入の試薬特級Ｃａ3(PO4)２粉末を原料としてＣａ3(POI)２焼結体を 作成した。Ｃａ3(PO1比原料粉末に、Ｓｍ203、CeO2、Ｔｂ407、ＣｕＯ等の不純物を添加、混合し たものを厚さ0.5mm、直径７ｍｍの円板状に加圧成形し、白金ルツボ内において、１１００℃で３ 時間、大気中で加熱した。次いで、室温まで徐冷してβ￣Ｃａ3(ＰＯｲ)２焼結体試料を作成した。 アルカリ長石系列のマイクロクリン（微斜長石）を１０×１０×１ｍｍ3の大きさに成形したも のを日本地科学社より購入し、測定試料とした。マイクロクリンのnaturalおよびＸ線照射 によるＴＬの測定は、試料をクライオスタット内の試料ホルダーに取り付けたうえ、２０℃／ ､ｉｎの一定の昇温速度で400℃付近まで加熱することによって、測定した。 ３．実験結果 FiglはCeO2、Ｓｍ203､Ｔｂ４０７をそれぞれ0.lwt％添加したβ￣Ｃａ3(PO4)２焼結体にＸ線（線 量率：0.155Ｃ・kg-l・min-l）を１分間照射後測定したＴＬグロー曲線である。図から、ｌ） １００～130℃、２）210-240℃、３）310-320℃にＴＬピークが観測され、これらの観測され るＴＬピーク温度が、添加される不純物の種類に係わらずほず一定であることが確かめられ た。Ｓｍ、Ｃｅイオンに比べてＴｂイオン添加効果は、％程度となっている。Ｆｉｇ２は、それぞ れＣｕＯを0.03Wt％、Ｓｍ２０３を0.06ｗｔ％を添加したβ￣Ｃａ３（ＰＯ４)２焼結体にＸ線を１分間照 射した後に測定したＴＬグロー曲線である。Ｃｕイオンの添加