小学校图画工作科第6学年.DOC

事　例 小学校　図画工作科　第６学年「感じるままに」 テーマ 「行為から想いを広げて??」発想や構想の能力を高める指導の工夫改善 授業改善のポイント ○指導過程の工夫。 ?児童が自分の想いを表現する行為を楽しむことができるための工夫 ?「行為から発想する」という指導過程 ○いつもとは違った画材による全身を使ったのびのびとした表現活動の場の設定 ?道具、画材、教師の準備 ○指導方法の工夫 ?資料、教師の示範 １　学習状況の把握と分析 　学習状況の把握 　［評価規準］　〈題材レベル「未来に生きるわたし」で記載〉 造形への関心?意欲?態度 発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞 評価規準 　絵や立体に表現することで、自分の夢や未来の姿を目に見えるようにする造形の魅力に強い関心を示し、その楽しさを進んで味わおうとする。 　自分が活躍している未来の場面を思い浮かべ、そのイメージに適した表現方法や材料を生かす構想を練る。 　構想にしたがって、自分の夢や思いがよく表せるように適切な材料を選び、表現方法も十分に工夫をこらして表現する。 　でき上がった作品を見ながら、将来の夢について語り合い、お互いの夢の違いやよさに共感しながら観賞する。 ［把握方法］ ア　造形への関心?意欲?態度 ?　表現過程での活動の様子の観察（個人カルテに記入） ?　児童の自己評価（学習カード） イ　発想や構想の能力 ?　児童のアイデアスケッチ ?　作品 エ　創造的な技能 ?　作品　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　保育士になったわたし ウ　観賞の能力 ?　活動の様子（発言?意見交流の様子） ?　観賞カード 　　　　　　　　　　　　　　　　イラストレーターになったわたし 　学習状況の結果と分析 ［結果］〈題材レベルで記載〉 　　自分の将来の姿を針金や紙粘土をつかって表現する題材である。児童は、「看護士」「スポーツ選手」「小説家」など、おもいおもいの自分がなりたい職業を発言した。しかし、いざそれをアイデアスケッチで表そうとすると、衣装や持ち物など細かい部分をどう表現したらよいか、イメージが浮かばず、描くことができないで困る児童の姿があった。また、中には、直立のポーズで手に物を持った児童もおり、場面の様子が表れるような構想や表現方法や工夫という面で、不十分な児童の姿もあった。 　上記のような児童の実態を踏まえ、さらに児童Aに焦点をしぼり分析した。 ◆児にかかわって 未来の自分をアイデアスケッチに表す活動では、　　　　　　　関心?意欲?態度 Ａ　　 Ｂ Ｃ どういうポーズににしたらいいのか迷う姿が見られ た。友達のアドバイスをうけ、いすに座った姿を描 いた。しかし、いすに座って何かをしているという　鑑賞の能力　　　　　　　　　　　　　発想?構想力 のではなく、ただまっすぐ前を向いて座っている構 成を考えた。 イスや机には木片を用意して紙粘土と組み合わせて 使う工夫をみせた。これも近くの席の友達からのアド　　　　　　　　　　　　　　　　 バイスを受けてのことである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　創造的な技能 総じてA児は、図工の時間の活動において、友達の製作の様子に刺激を受けながら制作することが多い。自画像製作のように、目の前にあるものを見て表することに対する抵抗はないが、紙粘土で将来の自分を製作する活動のように、材料や用具を基にして想像して自分で創り出していくことに抵抗が大きいようだ。自分の表現に自信がもてなかったり、できばえを意識しすぎたりすることが、自由な発想や構想の能力の妨げになっているのではないかととらえた。 授業改善へ ２　分析に基づく授業改善 （１）授業改善の方針 以上の学習状況の結果と分析から、できばえをイメージし、それに向かっていくという従来の学習活動から脱却し、行為そのものを楽しむことから出発する学習活動を仕組むなどの授業改善によって、発想や構想の能力を高めることができるであろうと仮定し、本題材を設定した。 そして、授業改善の方針を次の３点とした。 ①指導過程の工夫 ?児童が自分の想いを表現する行為を楽しむことができるための工夫 ?「行為から発想する」という指導過程 ②いつもとは違った画材による全身を使ったのびのびとした表現活動の場の設定 ?道具、画材、教師の準備 ③指導方法の工夫 　?資料、教師の師範 本題材は、大きなダンボール紙（９０ｃｍ×１５０ｃｍ）を一人に一枚与え、体全体を使ったダイナミックな表現活動を楽しみながら、絵に表したいことを表す学習である。教科書の題材「のびのびアート」をもとに、指導過程や方法を児童の実態に合わせて工夫改善し、題材名は「感じるままに??アクションペインティング」とした。