高等学校国语‘现代文’学习指导案.pdfVIP

高等学校国語 「現代文」学習指導案 平成２５年 １０月３０日 ６時 第３学年７組 ４１名 授業者 重竹 雅行 １ 科 目 現代文 ２ 単元名 小説読解実践 芥川龍之介 「蜜柑」全文 ／ 野呂邦暢 「白桃」より （2003年度 ・センター試験） ３ 単元設定の意図 今年度の熊谷高校３学年は、医歯薬系クラス１・理系クラス４・文理混合クラス１・文系クラス３の構成で、 授業者は、文系生徒すべての現代文を担当している。 １年間の学習を通して、現代文に関わる本質的な能力を身 に付けつつ、進路希望の実現に向けて直接的に必要となる、大学入試現代文での得点力を養成することを目標と している。その目標に基づいて、１学期の授業では、最終的にどのような問題に対応できるようにならなければ いけないかを確認すべく、代表的な出題形式 ・設問形式を一覧した。最初に 「センター試験」（評論 ・小説）、２ つ目に 「要旨要約」（一橋大学の過去問が素材）、３つ目に 「私大現代文」（早稲田大学の過去問が素材）と学習 を進め、最後に 「記述論述」（東京大学の過去問が素材）と展開した。２学期に入ってからは、様々なジャンル やテーマの文章や設問にできるだけ多く触れることを目指して演習を重ねているが、単純な演習形式の授業には 問題点が少なからずある。マンネリズムに陥りやすいこと、たしかな読解力養成における限界、また、本文を主 体的に把握したり、作品を味読したりするという、文章を読むことの根幹に関わる課題もあると認識している。 そこで今回は、センター試験の過去問を素材としつつも、与えられた設問に対して単に選択肢を選ぶことで解 答するというのではない形で、生徒が本文と向き合う機会を用意したいと考え、授業を構想した。生徒にとって、 比較的アプローチしやすいジャンルである小説を取り上げ、単に表面的なストーリーを掴むことにとどまらず、 その小説らしい表現の特徴に注意を払いながら読解することを目指す。グループワークを取り入れることで、自 信のない生徒も積極的に学ぶことができるよう配慮する。さらに、主体的に読解したその取り組みが、最終的に は設問を解くことのベースにもなることを実体験させ、きちんと読むことが正しく解くことと直結するのだとい うことを意識化させたいと考えている。 具体的には、2003 年度のセンター本試験で出題された野呂邦暢 「白桃」を題材とする。本文後半に出て来る 「木 犀」によって、小説世界が大きな変化を見せるというこのテクス トの特徴に注目して、作品において 「木犀」が 果たす役割に意識を向けさせることにする。ちなみに、センター試験では、「木犀」の役割が設問として問われ ている。ただし、こうした表現の特徴や小説の 〈方法〉を意識しての作品へのアプローチは生徒にとって難しい 面があるため、事前のトレーニングとして芥川龍之介の 「蜜柑」を学習することにした。これもまた、「蜜柑」 の登場前後で小説世界が変転を見せるという点、「白桃」と重なる部分を持つからである。両作品は、語り手の 質や嗅覚 ・視覚のいずれに訴えかけるかという違いこそあれ、小説内の小道具が、小説世界を動かしていく点で 共通しており、今回の学習の目標を達成するために相互補完的な素材文と位置づけることができると考え、重ね て提示することとした。 ４ 単元の目標 （１）与えられた問に対し、個人またはグループで積極的に考えて、課題を解決することができる。 （関心 ・意欲 ・態度） （２）小説を、その表現の特徴や 〈方法〉に注目しながら、主体的に読み味わうことができる。（読む能力） （３）読み取った事柄などを、適切にまとめて表現することができる。（書く能力） ５ 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 ア 関心・意欲・態度 イ 読む能力 ウ