浚渫土砂-国土交通.PDF

b)改良土の品質 ・製品の形状は、礫状から、砂状、粉体等の加工が可能である。 ・圧縮強さとして数百～２万kN/ ㎡程度が得られる。 c)留意事項 ・固化材を多量に添加した場合、処理土が高pH となる可能性がある。 ・改良土からの六価クロムの溶出が土壌環境基準を上回らないことを配合試験時、施 工後（火山灰質粘性土を改良する場合）に確認する必要がある（1.4(3)①参照）。 2-19 2)脱水処理技術 脱水処理技術は、高含水比浚渫土砂から水を絞り出す、あるいは乾燥させることによ って含水比を低減し土の力学的性質を高める技術であり、重力などを利用した自然式排 水･乾燥、地盤を盛土載荷等により脱水する圧密促進、機械力を利用した機械式脱水処理 に大別される。自然式排水・乾燥と圧密促進は主として事後（埋立後）処理技術に、機 械式脱水処理は事前（埋立前）処理技術に位置付けられる。 ① 自然式排水･乾燥 自然式排水･乾燥としては、天日乾燥、底面脱水、トレンチ工法等が挙げられ、強制乾 燥や自重圧密による含水比低下を促す技術である。 自然式排水･乾燥は、泥土状の比較的含水比の高い浚渫土砂に対して用いられることが 多く、天日乾燥や底面脱水による水切り等がある。天日乾燥は自然のエネルギーを利用 するため経済的な技術であるが、乾燥期間は天候等に左右され、広い敷地と長い期間を 要する。乾燥を促進するためには、定期的に天地返しを行って曝気を促進し、一定間隔 にトレンチを掘って重力脱水と併用する等が有効である。水切りの概要を図2.2.6に、天 日乾燥の概要を図2.2.7 に示す。また、それぞれの概略の能力を表2.2.6に示す。 水を多量に含んだ掘削土を、水はけの良い地盤上に山状に仮置きし て、自然重力による脱水を図る ・安価である ・大量の掘削土を比較的早期に脱水できる。 ・特別な施設が不要である。 ・流動性のある土の場合は、仮置き場周囲を 透水性のある擁壁で囲むなどの工夫をする。 図2.2.6 水切りの概要 [出典：建設発生土利用技術マニュアル（第２版）1997 年 10 月、（財）土木研究センター] 土を平面状に薄く広げ（厚さ 数10cm）、天日にさらして乾燥を待つ。 数日毎に油圧ショベル等で攪拌や天地返しを行う。 ・安価である ・特別な施設は不要である。 ・天候、季節、地域などで効果に差が出る。 図2.2.7 天日乾燥の概要 [出典：建設発生土利用技術マニュアル（第２版）1997 年 10 月、（財）土木研究センター] 表2.2.6 自然式排水･乾燥の概略能力（算定例） 施工法 所要面積 能力 3 連続トレンチ 5 万m ／年のケースで、 搬出可能まで200～250 日 150m ×120m ×2=36000m2 3 天日乾燥 5 万m ／年のケースで、 ハンドリング可能まで300 日 250m ×140m=3500