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7月27日 ニュースの魂 「名古屋場所総括?大相撲再出発の試練」 刈屋富士雄　解説委員 半年ぶりの本場所再開となった名古屋場所が三日前に千秋楽を迎えました。相撲協会にも本場所が開催できた安堵感が漂っていましたが、その反面、不祥事以前と何も変わっていないことに大きな不安を口にする人も多く見られたということです。 NHK：刈屋さんというと、大相撲中継で皆さんおなじみなんですけれども、今日は中継放送で伝えられない部分を解説していただくことになります、よろしくお願いします。ええ、名古屋場所終わりました。大相撲ファンは、まあ、一安心ということですけれども、同時にやはり大相撲再生の課題もいろいろと浮かび上がってきたじゃないとかと思うんですけれども、どうでしょうか。 刈屋：そうですね。本当に、あの、今回ぱっとやっぱりテレビをご覧になった方もですね、「お客さんが少ないな」というふうに思ったこと、後、まあ、魁皇がいなくなってしまったといろいろとあるんですけど、やっぱり、あの、今回やった上でですね、これから大相撲どうしたらいいんだろうかという再生への課題というのを４つ挙げたいと思うんですけれども、１つはやはり、あの、注目の八百長対策、これがやはりちょっと形骸化しつつあるということと、2つ目はやはりお客さんが来ないと、これどうしたらいいんだろうということと、後、まあ、大関魁皇（かいおう）が圧倒的なこの存在感がありましたね。引退してしまって影響がどうなるか、そして今、あの、協会の執行部とですね、力士会の中で、ちょっと溝が出来てるんですね。この辺りを少し考えていかなきゃいけないと。まずは、あの、八百長の再発防止なんですけれどもね、あの、まあ、携帯電話を預けるというのは効き目があるんだろかと疑問の元に始まって、やっぱり効き目ないですね、これはね、少し、はい。一番問題になるのはやっぱり、あの、観察員なんですね、観察員が７人から11人に増えて、支度部屋と土俵周りにこう見張るんですけれども、今回は八百長として疑わしき相撲はなかったという判断なんです、なかったのがいいんですけれども、ただ私が見ていても、やっぱり十両以上で一日三、四番はちょっとこれあっさりし過ぎているんじゃないかという取り組みがありますので、まあ、なかったというのがやはり八百長だろうということを断定しそうになったときに、呼んで、注意するんですけれども、そうじゃなくて、はやり、こう、気力が感じられなかったり、敢闘精神がなかったと思ったら細目（こまめ）に呼ばないと、これ効果がないじゃないかと思うんですね。ですから、敢闘精神が欠けているなというのも見れば分かりますんで、呼んでですね、どうしたんだと、どこか痛いのかとか、病気なのかと、そういうことを確認することと、後、八百長として処罰することと別と考えてですね、はやり、常に注意を喚起していかないとやはり効き目がないじゃないかと、観察員とは、実は40年前にですね、無気力相撲を、あの、なくそうということで作られて当時は本当にこまめに注意をしたのが、だんだん注意しなくなったんですよ。注意しなくなったことがやはり今回の八百長問題に結びついているわけですから、同じことを繰り返さずにやっぱり注意して欲しいなと思いますね。 NHK：あの、刈屋さんが挙げた課題、2つ目、観客数減った、本当に減ったんですか。 刈屋：減りました。これは名古屋場所が本場所になって54年経つんですけど、満員御礼1回しか出なかったんですよ、今回は。1回しか出なかったというのも、まあ、初めてなんですね。半年振りに待ちに待ったはずの大相撲の初日も名古屋場所も７０％しか入んなくて、初日としては、まあ、最低のいり（入り）だったんですね。普通はその後、かなり、こう、力の入った勝負とか、見るとお客さんが増えてくるはずなんですが、増えてこなかったんですね。魁皇が危ないと言うときには増えたんです。魁皇がもう見納めされるかもしれないときには、お客さんが増えたんですけれども、それ以外、増えてこなかったのは、やっぱりこの一連の一年間かけた不祥事ですね、これによって確実にお客さん離れたと、（やっぱり影響がありますか）影響はこれもかなりの深さだと深刻さと受け止めなければいけませんし、やっぱりこれまで相撲協会が、営業努力していないですよね、考えてみると、例えば料金。料金はですね、「若貴（わかたか）」の相撲ブームの時よりも高いんです。消費税が導入されて値上がりして、4人が座れる1升が1人、あの、1万１千３００円、1升が4万5千2百円。しかも、これがですね、1列目と8列目は同じなんですよ、升席の1列目と8列目じゃ、えらい見方が違いますし、後、初日から３日目、４日目ぐらいの時と、千秋楽と値段が同じ。だったら皆千秋楽買いますよね。それ