γ-amino 酪酸誘導物質の痙攣抑制作用に関する電気生理学的ならびに臨床的研究.pdfVIP

547.478.6:612.822.3 γ-amino酪酸誘導物質の痙攣抑制作用に関する 電気生理学的な らびに臨床的研究 第 Ⅱ 編 臨 床 的 研 究 岡山大学医学部脳神経外科教室(主任:西本 詮教授) 菅 谷 広 司 昭〔和44年9月18日受稿〕 内 容 目 次 第1章　 緒 言 第1節　 開頭術 中GABOB散布例 第2章　 投与方法 第2節　 脊髄腔 内,脳室 内注入例 第1節　 開頭術 中GABOB散布 第4章　 考 按 第2節　 脊髄腔 内,脳 室内注入 第5章　 結 語 第3章　 臨床成績 またIwamaおよびJasper4)は,猫の皮質表面 に 第1章　 緒 言 GABAを貼布す る ことに よって,視床電気刺激に 1956年,Elliiott,Floreyら1)は,中枢神経抑制過 よる皮質誘発電位 は陽性波 に逆転す るのをみてい る 程 の化学的伝達物質 は γ-aminobutyricacid(GABA) が,著 者が第 Ⅰ編 に述 べた如 くGABOBにおいて であると報告 したが,同年林およびその門下 ら2)は, も同様 にその位相 の逆転 がみ られてい る.また皮質 む しろ高等動物 中枢運動系における抑制物質は1923 表層各層 より得 た誘発電位 はそれぞれGABOB貼布 年富 田3)によって 発見 され合 成 された γ-aminoβ- 前 に くらべて逆転 しているの みな らず,peaktime hydroxybutyricacid(GABOB)であ ろうとの見解 の延長が認 められたが,こ れ らはGABOBの皮質表 を述べてい る.以来 多 くの追 試 に よ り,GABAよ 層の神経組織 に対す る抑制作用 によって惹起 された り,む しろGABOBの方 が大脳皮質運動系 に対 し 現象 と解す ることがで きる. てよ り抑制的効果 の強い物質であることが次第 に明 GABOB液が実験的に棘波 やafterdischargeを らかになって来た. 抑制 し,しか も中枢神経系 の正常活動 とくに呼吸そ 前編 で述べたよ うに,著者の実験的研究 において, の他の脳幹 の神経 中枢 にはほ とんど抑制効果 をもた 5% GABOB液はその大脳皮質直接貼布 で は皮質 ないとい うことはまことに興 味ある点であって,こ 脳波 の変化を示 さず, S-GABAおよびP-GABAに れ らのGABOBの特徴 にもとづいてその臨床 的応用 よ り誘発 された棘波はよ くこれを抑制 し,さらに電 を企 だて,開 頭術後痙攣 の予防および治療 を試みた. 気刺激 によるafterdischargeに対 して もこれを強 すなわち以下述べ るごとく術 中GABOBの脳表散布 力に抑制す る作用が認め られた.こ の ことは ヒ ト大 および脊髄腔 内および脳 室内注入を行 ない,そ の効 脳皮質のてんかん性焦点 にみ られた棘波 に対す る抑 果 について臨床統計的検討 を加 えた. 制作用について も全 く同様であることが観察 された. 第2章　 投 与 方