放流アカウニ追迹调查.PDF

放流アカウニ追跡調査 渡部裕介・勢村　均一山田　正 　アカウュの種苗生産および放流は九州・山口で十数年前から行なわれているが，放流効果の調査 例は多くない。本県では？成元年度より本種の種菌生産試験を開始しており，将来，本種を栽培漁 業対象種とし放流を行なう予定であるが，放流後の成長，生残についての知見が全くなかった。そ こで本調査では，天然アカウニをすべて除去した区域に人工種苗を放流し，その生残，成長を追跡 した。 　なお，本調査の計画，および1989年７月の追跡調査は渡部が行なったが，1989年７月18日に潜水 調査中，不慮の事故で死亡したのでその後の調査を勢村，山田が引き継いだ。 方 法 　調査区城を大社町日脚碕の250・の囲礁域に設定し，1988年９月上旬に区域内およびその近傍に 生息しているアカウュをスキ･,－バ潜水によりできる限り除去した。９月９日に平均殼径2311のア カウニ1,740個体を放流した。追跡調査は10ヵ月後（1989年７月），21ヵ月後（1990年６月）に行 調　査　区　誠 一151－ なった。調査方法は区域をロープで５×５ｍの10区画に区切り，それぞれの区画のアカウニ生息個 体数をスキューバ潜水により１～２人／区画で計数した。計数後，区画内から100個体を無作為に 採捕し，殼径を測定後，再放流した。なお，残留率は殼径組成により天然個体と考えられる個体を 除いた割合で示した。 結 果 １．調査区域の概要 　調査区域の水深は1～2.5mで，底質は砂地に砂利または小石が敷きつめられ，径1～1.5mの岩 が点在する。アカウニは主として岩と底との間隙に生息する。 　植生はイソモク,マクサ,アミジグサ等が主体であり，主に岩頂および周囲の岩礁域に着生する。 肢度は5～10％で疎生である。但し，冬季は流れ藻が多く漂着する。 　　　　　　　　　　　　　　表１　植生　　○着生が確認された種 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○比較的多く着性している種 ５月10日 ７月７日 アミジグサ ８ コナミウチワ ○ モ　　ズ　　ク § フクロノリ Ｕ ア　カ　モ　ク ヤツマタモク ョ　レ　モ　ク ｜ オオバモク イ　ソ　モ　ク ウミソウメソ マ　　ク　　サ サンゴモ科 ○ ８ ･1-　　カ　　リ カギイバラノリ ワツナギソウ ○ 表　坪刈り結果 ｇ／｡ｆ ５月10日 ７月７日 アミジグサ 40 　120 ア　カ　モ　ク 280