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2004年3月3年目-东京外国语大学

ドイツ語文の形成の規則体系 (課題番   平成13年度~平成15年度科学研究費補助金(基盤研究c)(2))   研究成果報告書 平成16年6月 研究代表者 在間 進  (東京外国語大学外国語学部  言語?情報講座)  はしがき 1. 本報告書は,平成13(2001)年度から平成15(2003)年度の文部省科学研究費補助金(基盤研究(c)(2);課題番研究課題「ドイツ語文の形成の規則体系」)の研究成果として作成したものである。 2. ドイツ語研究の一つの主な目標は,ドイツ語を一つのコミュニケーション手段として成り立たせている形態的?統語的?意味的規則体系(最終的には音声学的?音韻論的?語用論的側面なども含む)を抽出?記述することであろう。 本研究計画の目的は,状況のフレーム的認識を分析の出発点とするStorrer(1992)のモデルなどを参照し,Zaima(1999)で提唱した 文は,文意味構造(=項構造)に意味内容が挿入され,それに対応する形で,統語構造に適当な語彙(動詞,名詞など)が挿入されることによって生成される という「ドイツ語文の生成モデル」を具体的に記述するためのドイツ語基本動詞の実証的分析を行うともに(第1目的;注1を参照),このような研究方法を理論的に再検討することである(第2目的)。 2.1. 第1目的の実証的分析作業としては,平成14(2002)年3月に「ドイツ語基本動詞収集データ」(東京外国語大学「在間研究室」作成;収集データの項目については注2を参照)を作成した。その後,単一動詞の自動詞他動詞事例分類,派生動詞<特に道具派生動詞,結果形容詞派生動詞>事例収集,状態変化動詞事例収集などを行。特に,状態変化動詞のデータ収集は,に述べるコーパス利用に関わる新しい試みとして,動詞と結合する名詞的構成素などの語彙的情報(言語の規則体系は語彙レベルの情報を前提として機能する)およびその頻度(使用頻度は外界の事象に対する人間の認識上の関心度などを示す)にも着目し行った。東京外国語大学「在間研究室」 2.2. 第2目的の的検討としては,以下の二つの帰結を得た。 2.2.1. 第1の帰結は,コーパスを第一義的な分析対象にするべきであるという方法論的方針の提唱である。ドイツ語に関する私の今までの実証的研究は, (1)言語の「形」意味 (2)結合形式の形成意味特性 (3)文意味形成 (などを主なテーマとして行ってきたが,これらの研究根本的な問題として浮かび上がっのは, ()「容認性」 という概念である。言語研究のデータは,いわば実際のコミュニケーションに用いられた表現,すなわち言語表現として「容認」された(あるいはインフォーマントテストによる場合は「容認」されなかったものも含む)ものである。そしてこの「容認性」はBei Müllers ist jemand krank. とBei Müllers ist jemand gesund. とで容認性に差が生じるように,「文法性」(=文法的に正しい)を超えた,言語運用上のレベルでの現象である(第2部第5章参照)。もしそうであるならば,実際の言語運用のデータ,すなわちコーパスに正面から向き合,--既存の問題提起に捉われることなく--コーパスそのものから新たな問題提起を構築し直さなければならない。便宜的に既存の問題提起のためにデータ収集を行うのではなく,コーパスに収集されたデータが意味ある言語表現として機能しえている背後にある内在的な規則体系とどう関わるかがそもそも第一義的な課題になる。 現在,コーパス,(イ)規範文法などの,言語運用上からの批判的実証(ロ)頻度調査を行っている注(本報告書第2部第6章参照)。コーパスに収集されたデータが意味ある言語表現として機能しえている背後にある内在的な規則体系2.2.2. 第2の帰結は,実証研究によって抽出される規則体系である。実証研究では,言語データから内在する規則体系を抽出するという作業を行う。この抽出される規則体系とはそもそもどのような実体をもつのか--このような問題意識から科学のありようを検討した結果,在間(2002)では「言語の規則体系は(「事実」というより)視点によって創り出されるものである」という結論を提示した。もし言語の規則体系が「創り出される」ものであるとするならば,「創り出される」かこの「創り出す」作業をどう位置づけをあらためて考える必要が出て来る。この問題に関する考察の結果,以下のような二つの。 (イ)その一つは,分析の対象についてである。一般に,発話者は現実界の刺激に誘発され,

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