固形制剂整粒工程.docVIP

【別添】 （作成案） バリデーションの考え方と実施例 【実施例編（付属書）】 固形製剤：整粒工程 平成28年3月 大阪府健康医療部薬務課 目次 1. 整粒工程とは 3 1.1 変動要因 3 1.2 変動要因の技術的情報 3 2. プロセスバリデーション実施までに 4 2.1 操作条件等 4 2.2 検体採取 5 2.3 整粒工程の検証 5 3. モデル事例 6 3.1 製造条件等の設定の経緯 6 3.2 プロセスバリデーションの検証方法 7 4. QA 8 1. 整粒工程とは 整粒工程は、造粒工程等で得られた造粒品に機械的な衝撃?篩過、又は、人手による篩過等により、所定の粒度分布の顆粒とする工程である。顆粒剤では収率良く所定の粒度に揃え、打錠用の顆粒では流動性、打錠時の臼への充填性や圧縮成形性の向上を図る。 本実施例では、回転羽根型スクリーン整粒機を用いた整粒操作を対象としている。 1.1 変動要因 整粒工程のアウトプットと考えられる主要な品質は粒度分布、かさ密度等であり、これらに影響する品質に影響を及ぼす可能性のある変動要因を以下に示す。 品質に影響を及ぼす可能性のある変動要因 原材料 整粒される顆粒の特性（造粒方法（顆粒強度、顆粒密度等）、粒度分布、粒子形状、水分、融点、熱による分解等） 設備仕様 整粒の機構（せん断型、圧縮型、衝撃型）、整粒装置の処理能力等 操作条件 仕込量、供給速度、回転体の種類（ナイフ、インペラ等）、スクリーンの種類（メッシュ、パンチング等）、メッシュの目開き?線径、パンチングの穴形状（丸、角、おろし金型、ヘリンボーン）?サイズ、スクリーンの開口率、回転体の回転速度、処理速度、処理時間、ジャケット温度 等 1.2 変動要因の技術的情報 変動要因のうち重要なものに関する技術的情報を以下に示す。 変動要因 技術的情報 整粒される顆粒の特性（造粒方法（顆粒強度、顆粒密度等）、粒度分布、粒子形状、水分） 粒度に影響する。また、残留水分含量の変動により顆粒強度が変化し粒度に影響することがある。変動が大きい場合は、整粒される顆粒の粒度や試整粒の結果から整粒条件を調整するような条件設定が必要となる。また、極端に大きな粗粒が含まれる場合は、予備整粒により粗粒を解砕することが必要となる場合がある。 整粒される顆粒の特性（融点、熱による分解等） 低融点成分が含まれる場合、整粒操作に伴う装置の発熱により、スクリーンや回転体への固着が発生する場合があり、粒度に影響することがある。また、原薬が熱に弱い場合、装置の発熱により含量が低下する可能性がある。装置の発熱の影響がある場合にはジャケットによる温度制御を行うことがある。 スクリーンや回転体への固着がある場合は粒度に影響し、一定の処理時間または処理量で装置清掃やスクリーン交換等が必要になる場合がある。 整粒の機構（せん断型、圧縮型、衝撃型） 粒度やかさ密度に影響する。また、装置の発熱により製品温度に影響する場合がある。顆粒の特性や目的とする粒度に応じ整粒機構を選択する。 整粒装置の処理能力等 ロットサイズ，仕込量により適切なスケールの装置を選定する。 仕込量 供給速度に応じ処理時間が変わる。工程中にスクリーンや回転体への固着傾向が強い場合、仕込量全量を整粒するために整粒機内部の清掃やスクリーンの交換が必要となる場合がある 供給速度 （処理速度、処理時間） 整粒機内の顆粒の滞留時間に影響し、粒度に影響がある。 供給速度の変動が品質に大きく影響する場合は、定量供給装置等の使用が望ましい。 回転体の種類（ナイフ、インペラ等） 顆粒への力の伝わり方が異なり、粒度に影響する。 顆粒の特性や目的とする粒度に応じ回転体の種類を選択する。 スクリーンの種類（メッシュ、パンチング等） 整粒される顆粒の特性や選択した整粒の機構に応じて、メッシュあるいはパンチング等を選定する。 メッシュの目開き?線径 整粒機内の顆粒の滞留時間に直接影響し、粒度に大きな影響がある。 パンチングの穴形状（丸、角、おろし金型、ヘリンボーン）?サイズ 整粒機内の顆粒の滞留時間が変化し、粒度に大きな影響がある。 整粒される顆粒の特性や目的とする粒度分布、処理速度に応じて選択する。（例えば、顆粒強度が小さい場合はヘリンボーン、大きい場合はおろし金型を選択するなど） スクリーンの開口率 整粒機内の顆粒の滞留時間が変化し、粒度に影響がある。 通常、スクリーンの耐久性および処理速度から適正な開口率を選択する。 回転体の回転速度 顆粒へのせん断?圧縮?衝撃力が変化し、粒度に大きな影響がある。 2. プロセスバリデーション実施までに プロセスバリデーション実施までに検討すべき項目と要点を以下に