地域环境科学専攻.pdf

2.5 地域環境科学専攻 本専攻は1995年（平成７年）従来の専門領域区分にとらわれず、多面的に地域を科学するグ ループとして創設された。創立後10年の節目を迎え、徐々に構成グループ間の連携は緊密にな りつつあると思われる。現在に至るまで、地球環境学堂との関係により組織は創設時と一部姿 を変えているが、現在は以下の通りである。 国際的視野で地域を論ずる、比較農業論講座（比較農業論分野）、森林科学の発想を元とする、 生物環境科学講座（森林生態学分野、森林水文学分野、森林生化学分野）、生物生態学及びバイ オサイエンスに立脚する、生産生態科学講座（熱帯農業生態学分野、土壌学分野、微生物環境 制御学分野、生態情報開発学分野）、地域生産環境の工学的整備を目指す、地域環境開発工学講 座（施設機能工学分野、水資源利用工学分野）、地域の物理的並びに社会的整備を目指す、地域 環境管理工学講座（水環境工学分野、農村計画学分野）、圃場における様々の工学手法の開発応 用を行なう、生物生産工学講座（農業システム工学分野、フィールドロボティクス分野、農産 加工学分野）、そして放射線科学の地域環境への応用を行なう、放射線管理学講座（放射線管理 学分野）の７講座16研究分野から構成されている。今後これ等分野間の密接な協同が期待され る。 本専攻には、修士課程（博士前期課程）に日本人104名、留学生2名、博士後期課程に日本人 46名、留学生12名、合計164名の大学院学生が学んでいる。 講座 比較農業論 2.5.1 研究分野：比較農業論 構 成 員：助教授 鳥井 清司 助教授 赤松 美紀 助教授 田中 樹（地球環境学堂） 助教授 森 義昭（学術情報メディアセンター） 助 手 森田 勝子 大学院博士後期課程 １名 大学院修士課程 ２名 Ａ．研究活動（2005.4～2006.3） Ａ－１．研究概要 ａ）比較農業論研究のための GIS （地理情報システム）構築 人工衛星画像をベースにして、水理学的な情報、水文情報、地理情報、地形情報、排水シ 307 ステム、土地利用植生図、流域図、開発計画図等を統合し、パソコンネットワークを利用し て、広域的な農業水利を考察、流域全体の水環境の把握を効率よく行えるシステムの構築を 考える。現在、衛星画像の精度は飛躍的に向上しており、かつ、観測衛星の数も多くなって きている。必威体育精装版の強力な衛星画像解析処理ソフトを情報空間で共同利用するシステムを運営 しながら、国内および世界各地の大規模な潅漑プロジェクトについて比較し、データの保管、 解析を進める。国内では岡山県児島湾、海外では韓国 Yangsangan 干拓プロジェクト地区、タ イ国のバンコック郊外の大規模灌漑プロジェクト地区、バングラディシュの低平地、イラン の半乾燥地帯、アフリカのサヘル地帯等について、その衛星画像データを主体に現地調査デ ータを重ねながら解析を行っている。（鳥井） ｂ）地域環境研究への画像計測の応用と数値シミュレーターの開発 地域の環境を高性能な衛星画像データによって観測し、それと重ね合わせる形で、水域の 流れのシミュレーションを行い、数値計算とリンクさせることによって、予測精度の高いシ ミュレーターの開発を行い、沿岸流や淡水湖内の流れに応用して、現実の環境問題により適 切な形で対応できる手法の開発を行っている。 （鳥井） ｃ）神経系に作用する殺虫剤の受容体との相互作用機構 ニコチン性アセチルコリン受容体に作用するクロロニコチニル系殺虫剤の受容体との相互 作用機構を解明するために、アセチルコリンバインディングプロテインの結晶構造を元にし て受容体結合部位の構造をコンピュータ上で作成し、得られたモデルと殺虫剤イミダクロプ リドとの結合様式について検討を行う。今年度は、タンパク質モデリングソフト PDFAMS お よび Simulated annealing 法を用いて、受容体の Loop D および E の変異体についてモデリング を行った。（赤松） ｄ）多様な化合物の人工モデル膜に対する透過性および腸管上皮細胞透