200年度入学ゼミ生卒業論文.docxVIP

卒業論文　「子育て～育児支援～」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　森田　洋加１テーマ目的２昔と現代の比較と結果３問題点４問題点への取り組み５さいごに１．テーマ目的昔と比べれば断然子どもを育てやすい環境が整っている、また子どもが成長しやすい環境になっているはずである現代。にもかかわらず最近毎日と言っていいほどよくニュースや新聞記事等で耳にするようになった育児放棄、虐待。このせいでケガをしたり、死んでしまったりする子供があとを絶たない。耳をふさぎたくなる事件が次々と起きているのが現状である。＜最近の事件＞昨年９月、母親が５歳と2歳の息子の首を絞めて殺害した。この母親は先月28日に身勝手な犯行として懲役１３年を言い渡された。（福岡県）今年の７月、母親とその母親と一緒に同居していた男が「夕食のカレーライスの食べ方が速い」と娘を激怒。「お仕置き部屋」と呼んでいた自宅の６畳間で３時間にわたって顔や頭を殴ったり、倒れても無理やり立ちあがらせ、足払いで十数回転倒させたりして、意識不明の重体にした。しかも娘はその日昼食を与えられていなかった。（京都府）お腹を痛めて産んだわが子になぜこのようなことをするのか。ニュースや新聞記事を読んでいると、母親の育児に対する悩みや経済的な理由など様々な原因があるようだ。このような身勝手かつ残虐な育児虐待が起こらないためにも育児支援の強化がさらに必要になってくるのではないかと思い、現在と過去を比較しながら問題点を探り、具体的な育児支援策を自分なりに検討してみたいと思う。２．昔と現代の比較とその結果昔は虐待という言葉をたびたびニュースや新聞記事で見ることは少なかった。昔の親は今の親より子供を大事にしていたということなのだろうか。そこで、先ほど述べたように、私たちのおばあちゃんたちの時代と今の母親との子供に対する思いを比較することで問題が見えてくるのではないかと思い、グラフにまとめた。図１上図より、昔は子供と一緒にいる時間が幸せと思っていたが、今は一緒にいることでむしろ苦痛なっていることがわかる。では、現代の母親は子供が嫌いなのかというとそうは言い切れない。現代の母親の子育てに関する意識をグラフにまとめた。図２子育てに不安やストレスを抱えてはいるが、上位にある考えをみると子育てに関してプラスに考えている人が多いことがわかる。私は子供に対する愛情は昔も現代もあまり変わらないのに不安やストレスを抱える人が増えたのは環境の変化が一番にあると考えた。図３　　一つ目に考えるのが景気低迷である。去年秋以降の１００年に一度の経済危機で雇用の削減など世の中の環境も変わってきた。このような不安定な状況に立たされているからこそ上のグラフのように世の中との接点を持ち続けていたいと思う親が増えているのだと考える。また、経済面で苦しい家庭も増え、養育費にかかる負担が今まで以上に大きくなり、ストレスの原因になっているのではないかと思う。　二つ目は科学の進歩。日本は急速な科学の進歩によりとても便利な世の中になった。買い物、食事、遊びといつでもどこでも気軽にできるようになり、楽しむことができる。このような便利な世の中は時には誘惑にもなると思った。どうしても行きたかったまたは行かなければならない催し物に育児のせいで行けないなど小さなストレスがたまっていき、子育てが苦痛に感じてしまう人もいるかもしれない。　三つ目は共働き世帯の増加である。図４上のグラフからもわかるように、昔は男が仕事、女は家事というのが普通であった。しかし今は女性の社会進出により両親とも働いているという家庭が増えてきている。しかし、女は家事という昔からの概念が日本はまだ根付いておりやはり子育ては女性中心になっている。仕事と家事の両立ができなくて困っている親も多くなってきているのではないかと思う。３．問題点以上の比較結果より、昔と今で違うことはまわりの環境である。これまでに述べた環境の変化の原因により引き起こされる問題をそれぞれ挙げていく。　まず一つ目の景気低迷により引き起こされる問題点として考えられるのは、経費削減としての雇用削減である。それにより①子育て終わりの仕事復帰の難しさが考えられる。平成２１年３月１６日付けで厚生労働省から「現下の雇用労働情勢を踏まえた妊娠?出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い事案への厳正な対応等について」という通達が出された。しかし、企業からの不当な解雇を言い渡され、泣き寝入りしてしまう人も少なくないようだ。二つ目の問題として挙げるのが②保育所の確保である。最近よく耳にする待機児童。保育所の施設が追い付かず、行きたくても行けない児童は今年４月時点全国合計26275人で、昨年よりも891人増加した