海洋石油生産设备-J-Stage.PDF

211 解 説 海洋石油生産設備* 佐 藤 増 穂** は じ め に 今や石油開発の中心は陸域 か ら海洋 に移 りつつ あると い って も過言ではない.陸域 はおおむね探査 されつ くし, その未発見資源量 に多 くを望 めぬ上,昭 和48年秋 の石 油危機 によ り石油資源の有限性,偏 在性を認識 させ られ た.更 にアラビア湾岸諸国の民族意識 の高まりとその資 源温存政策により,石油需給 のひっ迫が深刻な問題 とな ってきており,メジャーをは じめ とす る石油会社は もと よ り各国は国をあげて海洋石油開発 に乗 り出 してい る. 北海 油田の開発はその典型的な成功例 であ り,これによ って英国は石油の 自給が可能 となった.こ の北海 での成 功 にならい,最近,日 本周辺 の海域において も探査,試 掘活動が活発化 してお り,政府お よび石油公団の支援二の も とに中国渤海の 日中共 同開発 プロジェク ト,東支那海 の 日韓共 同開発プ ロジェク ト,サハ リンの 日ソ共同開発 プロジェク ト,更には帝石 ・エクソンのいわき沖天然ガ ス開発プ ロジェク トな どが続 々と進展 しつつある. しか し,海洋油 田開発 に要する初期投資額 は陸上油田 に比べてはるかに大きく,且つ,危 険性 も大 きい.更に, 開発が浅海か ら深海へ,ま た,流 氷海域や北極海のよ う な悪海象条件 の海域へ と移 るにつれその初期投資額 はま 図1氷 海用石油掘削 ・生産プ ラッ トフォーム す ます増大す る傾 向にあ り,また,よ り高度且つユニー トフォームの一例である.油 田開発 にあたっては上記 の クな開発技術 が要求 されつつある. 残念なが ら我 々船舶 ・海洋開発 関係 の技術者 にとって 構成要素を,与 え られた油田条件,環 境条件,機 能条件 に合わせ,個 々に最適且つ経済的な形式を選ぶ とともに 石油開発分野 は取組みは じめてか ら日も浅 く,石油技術 全体 としてバ ランスの とれた組合せを選定す ることがシ 者 でない我 々にとって何 かと理解 しに くい所が多いが, ステム設計 の第一歩である. 今 までの海洋石油生産施設 の設計 ・建造 の経験や種 々の 文献,報 告書をもとに海洋石油開発 と生産施設の概要, 開発井を1基 のプ ラッ トフォームか ら何坑掘削できる か とい う油 田条件 に加 え,海象 ・気象,水 深,離 岸距離 計画 ・設計上の要点な どにつき述べてみたい. 海底地形および土質,対岸 陸地の地理条件,更 に,プ ラ 1.海洋石油生産 システム ッ トフォーム,海底パイプ ライン等 の設計,施工上の技 海洋で石油を生産す るのに必要 な全 システムをいい, 術 的,経済的および法制上の問題を十分に検討 し最 も経 掘削装置,坑 口装置,処理設備,貯 油施設,出 荷施設お 済的且つ安全 に最 も多 くの石油 を油田か ら回収するとい よび各種ユーティ リテ ィーか ら構成 されるハー ドウェア うのが開発 の基本 となる. と,一般 に生産管理 といわれ るソフ トウェアか ら成 る. 2.開 発 計 画 普通掘削 ・生産プ ラッ トフォームといわ