芥川龙之介短篇小说《鼻》的叙事特点与人性凝视_.pdfVIP

目次

第1章序論1

1.1問題提起1

1.2先行研究2

1.2.1中国側の研究2

1.2.2日本側の研究5

1.3援用理論11

1.4研究方法と研究意義13

1.4.1研究方法13

1.4.2研究意義14

第2章「鼻」を創作する背景16

2.1時代背景16

2.2芥川龍之介の家庭背景17

2.3芥川龍之介の初恋体験19

第3章「鼻」における語りの特徴――視点・構造・空間22

3.1「鼻」における焦点化22

3.1.1「鼻」における非焦点化24

3.1.2「鼻」における「内在的・不定焦点化」27

3.1.3「鼻」における「外在的焦点化」32

3.2「鼻」における「散点透視法」33

3.2.1視点方法としての「散点透視法」33

3.2.2物語の構築法としての「散点透視法」35

3.3物語空間36

3.3.1空間構造の形式37

3.3.2空間構造の類型41

第4章人物像を描く技法44

4.1シンボルによる暗示的な表現技法44

4.1.1鼻による暗示44

4.1.2仏教の要素による暗示46

4.2ニュアンスが違う言葉遣いによる表現技法47

4.3白描手法51

4.3.1「鼻」における虚飾のない白描手法52

4.3.2「鼻」における真意のある白描手法55

第5章「信頼できない語り手」による「人間性への凝視」58

5.1「信頼できない語り手」による二つのストーリー58

第１章序論

1.1問題提起

芥川龍之介(1892-1927年)は、1914年、第三次『新思潮』を創刊し、『老年』

(1914.5)を皮切りにし、次々と作品を発表した。1915年、その師夏目漱石に

認められ、文壇に登場することになった。それらの作品の中では、夏目漱石か

ら激賞を受け、出世作とも呼ばれているのは、『今昔物語集』や『宇治拾遺物

語』から取材し、歴史小説の形式で書いた「鼻」である。「鼻」は芥川が失恋

体験に影響され、その中から見出した人間の本性に基づいて書かれた悲喜劇で

ある。異様に長い鼻を持っている禅智内供という老僧が、その鼻に苦しみ、何

とか短くしようと苦心した結果、念願のように鼻が縮まったが、その喜びを味

わう間もなく、余計に嘲笑されたと感じ、悔やみはじめ、最後に鼻がもとの形

にもどり、やっと安堵したという物語である。

芥川龍之介の「鼻」は、物語の面においても、文体の面においても、独特な

特色を持っている。精読を通じ、この作品では、他人、あるいは傍観者の表情、

動作や内供の心理活動を細かく描写しているだけでなく、語りの視点や小説の

構造にも心を尽くしたことが分かる。例えば、物語の面において、語りの視点

がひそかに続々と変換し、内供の視点だけでなく、弟子の視点や語り手の全知

視点なども用い、様々な立場から物語を進める。それに、文体の面において、

シンボルや言葉づかいも多く見られる。例えば、観音経、目蓮や普賢など象徴

性を潜めているシンボルと、鼻という自己意識を象徴する言葉が挙げられる。

そのため、テキストについての物語と文体という二つの面からの分析が不可欠

であると気づいた。

「鼻」に関する山ほどの研究の中では、内供の心理と傍観者の利己主義の二

つは、「鼻」を論じるには避けられない主題と言えるだろう。また、「失恋体

験」との関わりを芥川が自ら日記の中に書いた上、この小説と芥川の実生活と

の関連も多く論じられている。しかし、小説の結末や人物のゆくえなどへの解

釈は、学界において多岐に分かれ、まだ定説がないと言える。それに、小説の

テキストに着目して物語論や文体論を利用する研究が僅かである。その中では、

語りの視点・構造・空間におけるそれぞれの語りの特徴や、白描手法、言葉遣

いとシンボルなど人物像を描く手法などに関しては、全面的に分析を行うもの

はない。

1

それで、芥川の実生